1.基礎実験による有効性の検討 現有のSPECTシステムを用いて、基礎実験ファントムに対するデータの収集を行なった。これには慶應大学医学部の協力を得て、病院に設置してある東芝製GCA7200AというSPECT装置を用いた。また、この際のファントムとしては心筋ファントム(心筋、肺、脊椎、肝臓などの人体に近い構造を有するファントム)ならびに、ロッドファントム(コールドロッド、ホットロッド)を用いて提案手法の基本性能を詳細に調査した。本研究で使用を予定している半導体検出器は、完成していなかったため、臨床用の装置にアタッチメントを設置し、3次元のデータ収集が可能なようにした。心筋データから再構成された画像は、画質評価を行いやすいようにするため、Bull's eye表示を行い、各セグメントにおける画質を評価した。 2.実験結果をふまえた投影データ選択法の改良 基礎実験における再構成画像と投影データの関係を再検討し、シミュレーションにおける評価基準と実験における基準が一致しているかどうかの検討を行った。この結果、実験とシミュレーションの結果との間に相関がみられ、シミュレーションで選択した角度を実験で用いることの合理性が明らかになった。また、投影データは3方向の投影データをセットとし、おのおのが90度の角度をなすものを4セット集めた方が画質が向上することが明らかになったため、すべてのシミュレーションにおける投影データセットを組みかえ、再度検討を行った。さらに、健常のボランティアによる臨床実験を予定していたものの、実際の装置が完成しなかったため現実的にデータ収集が不可能となり、これについては見送った。 3.報告書の作成 本研究の成果に関して、報告書にまとめた。
|