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2002 年度 実績報告書

放射線生物学に基づく強度変調放射線治療(IMRT)の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14570887
研究機関近畿大学

研究代表者

西村 恭昌  近畿大学, 医学部, 教授 (00218207)

キーワード高精度照射法 / 強度変調放射線療法 / ファントム / 放射線生物学 / 線量率効果 / 治療計画 / 悪性神経膠腫
研究概要

本研究は、空間的線量分布に優れた最新の三次元高精度照射法である強度変調放射線療法(IMRT)を、放射線生物学の観点から理想的に行うことを目的とする。本年度の研究実績として、まず物理的な不均一線量分布が生体内で再現できているかをファントム実験等で検証した。その結果、治療計画で得られた線量とファントム内の実測線量の誤差は3%以内であることが明らかになった。IMRTは2Gyの照射に15-20分かかるため、照射中の患者の固定具内での臓器移動(intrafraction organ motion)についても検討したが、舌骨と下顎骨以外の部位では移動は少なく2mm以内であった。この成果は2002年の北米放射線学会で発表した。
IMRTでは、1回の照射時間が長いため、線量率効果がある可能性がある。SCCVII腫瘍とCHO細胞をin vitroにおいて照射し、この照射時間の延長の効果を検討した。その結果、10Gy以下の線量ではIMRTと通常照射に細胞生存率に有意差が認められず、IMRTの線量率効果は認められなかった。
肉眼的腫瘍体積(GTV)と臨床標的体積(CTV)に対する1回線量を変え照射するSimultaneous integrated boost(SIB)法のパイロット研究を、通常の放射線療法では局所制御が困難な悪性神経膠腫を対象に行なった。まず治療計画法においてはCTVをGTV周囲のドーナッツ状のCTV annulusとして入力する方法が、CTV全体を入力する方法よりも適切な治療計画が得られることが判明した。この成果も2002年の北米放射線学会で発表した。臨床的にはGTVには1回2.5Gy、CTVには1回2.0GyのSIB法で合計70Gyの照射が悪性神経膠腫に対して安全に行えた。しかしながら、この線量分割法での局所制御は不良で、さらなる1回線量増加試験が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 西村恭昌: "放射線腫瘍学における探索型臨床研究"新医療. 29・2. 123-126 (2002)

  • [文献書誌] 西村恭昌: "IMRTの目指すもの:PhysicsとRadiobiologyの統合"放射線治療分科会誌. 16・1. 4-5 (2002)

  • [文献書誌] Nakamatsu K, Nishimura Y 他4名: "Intra-fraction organ motion during IMRT for head and neck cancer"Radiology. 225・9. 506 (2002)

  • [文献書誌] Suzuki M, Nishimura Y. 他2名: "Inverse planning of simultaneous integrated boost (SIB) method for high-grade gliomas : useflulness for defining GTV and CTV-annulus as two separate target volumes"Radiology. 225・9. 711 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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