研究課題
基盤研究(C)
強度変調放射線療法(IMRT)で治療計画された不均一線量分布が生体内で再現できているかをファントム実験で検証した。その結果、治療計画で得られた線量とファントム内の実測線量の誤差は2-4%以内であることが明らかになった。当院におけるIMRTの臨床実施に当たっての精度保証の方法を確立した。照射中の患者の固定具内での臓器移動、毎回の治療ごとのセットアップエラーのデータに基づき、このシステマチックエラーとランダムエラー分布の標準偏差から計画標的体積(PTV)マージンを求めた。当院のPTVマージンとしては5mmが適切であった。IMRTでは、1回の照射時間が長いため、線量率効果がある可能性がある。SCCVII腫瘍とCHO細胞を実際のIMRTのビームを用いて照射した。その結果、10Gy以下の線量ではIMRTと通常照射に細胞生存率に有意差が認められず、IMRTの線量率効果は認められなかった。悪性神経膠腫を対象に肉眼的腫瘍体積(GTV)と臨床標的体積(CTV)の1回線量を変えるSimultaneous integrated boost(SIB)法のパイロット研究の成果と治療計画法を2編発表した。GTVには1回2.5Gy、周囲CTVには1回2.0GyのSIB法で合計70Gyの照射が悪性神経膠腫に対して安全に行えたが、この線量分割(70Gy/28回)では、局所制御について満足な結果は得られなかった。IMRTで治療した頭頸部腫瘍33例を対象とし、その唾液腺障害の程度と再発形式を検討した。対側および同側耳下腺への平均線量は24.0Gyおよび30.3Gyに軽減できた。IMRT後3-4ヵ月での唾液腺障害は、grade 0,1が19例(58%)で、特に耳下腺体積の大きな患者では唾液腺障害が軽度であった。しかしながら、PTV辺縁再発も見られ、IMRTにおけるPTV設定には注意が必要である。
すべて 2004 2003 2002 その他
すべて 雑誌論文 (14件) 図書 (1件)
Int.J.Clin.Oncol. 9
ページ: 491-497
Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys. 60(1)suppl
ページ: S522
新医療 360
ページ: 103-106
Int J Clin Oncol 9
Recent Advances and Research Updates 5
ページ: 261-270
ページ: 414-420
Int J Radiat Oncol Biol Phys 60(1),supple
癌の臨床 49
ページ: 1545-1548
Jpn.J.Clin.Oncol. 33
ページ: 271-277
日放腫会誌 15
ページ: 29-36
Jpn J Clin Oncol 33
Radiology 225(p)
ページ: 506
ページ: 711
Intensity Modulated Radiation Therapy (Ed. Mundt A., Roeske J., BC Decker) (in Press)