研究課題/領域番号 |
14570888
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
今井 茂樹 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (00168494)
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研究分担者 |
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40278932)
業天 真之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10319957)
梶原 康正 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60030912)
梅谷 啓二 高輝度光科学研究センター, 実験部門, 研究員(研究職)
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キーワード | 放射光 / 単色X線 / 微小血管造影 / 腫瘍 / 血管新生阻害剤 |
研究概要 |
【目的】単色X線を用いた微小血管造影により、血管新生阻害剤を投与し、非投与群と投与群における腫瘍微小血管の状態を視覚的に比較する。また、腫瘍の直径と体積も比較する。 【方法】実験モデルは、日本白色家兎の耳介に移植したVX2耳介腫瘍を用いた。微小血管造影システムは、X線源に33.3keVの単色X線を用い、検出器は撮像視野10x10mmのCCDカメラを用いた。造影剤は非イオン性ヨード造影剤(イオメロン400^<【○!R】>を用いた。血管新生阻害剤は、藤沢薬品工業から提供されたFR-118487を用いた。FR-118487は2mlのpropylene glycolで溶解し、Alzet osmotic pumpを用いて皮下投与した。投与群はFR-1 group(1mg/kg/day投与)、FR-3 group(3mg/kg/day投与)とした。非投与群はcontrol groupとし、propylene glycolのみを投与した。それぞれ腫瘍移植日より3日間および7日間投与した後に、微小血管造影を施行した。 【結果】control groupの微小血管造影所見は、3日間では腫瘍全体に屈曲蛇行した血管が密に認められた。7日間では、腫瘍辺縁部に屈曲蛇行し、拡張した血管が認められ、中心部は屈曲蛇行が著しい30μm程度の微小血管が散在性に観察された。動静脈シャントも多く出現していた。FR-118497投与群では、FR-1 groupとFR-3 groupの間で、血管造影所見に有意差がなかった。しかし、FR-groupの3日間では、control groupの3日間と比較して、腫瘍内部の微小血管数が少なく、7日間の血管造営所見は、control groupの3日間に近い状態であった。 【結論】単色X線による微小血管造影は、血管新生投与後の腫瘍内部微小血管の評価に有用であった。
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