研究課題/領域番号 |
14570900
|
研究機関 | (財)先端医療振興財団 |
研究代表者 |
千田 道雄 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 部長 (00216558)
|
研究分担者 |
陳 国躍 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (20282014)
伊藤 浩 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20360357)
坂本 攝 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 主任研究員 (40344402)
|
キーワード | PET / 酸素15ガス / 局所脳血流 / 局所脳酸素摂取率 / 局所脳酸素消費量 / 多施設共同研究 / 正常データベース |
研究概要 |
ポジトロン放出断層撮影法(PET)において、酸素15標識の3種類のガス、すなわち二酸化炭素ガス(CO2)、酸素ガス(O2)、一酸化炭素ガス(CO)を用いると、局所脳血流(CBF)、酸素消費量(CMRO2)、酸素摂取率(OEF)、および血液量(CBV)を測定し画像化できる。本法は脳血管障害の診断とくに脳動脈閉塞症の血行再建手術の適応決定や術後の評価などに有用で、健康保健も適用されている。しかし、ガスの吸入方法、撮影時間、諸定数の設定値など測定方法の詳細がPET施設によって異なり、しかも測定値がこれらの影響を受けるため、異なる施設の測定値を直接比較することが困難である。 そこで、本法を臨床実施している全国のPET施設から、正常データと測定方法の詳細に関する情報を集めて比較し、正常値の施設や方法による違いを検討した。 11施設から70例の正常データが集め、中大脳動脈領域の前頭葉から頭頂葉にかけての大脳皮質に関心領域を設定して求めた全例の平均と標準偏差は、CBF=44.4±6.5mL/100mL/min;CBV=3.8±0.7mL/100mL;OEF=0.44±0.06;CMRO_2=3.3±0.5mL/100mL/minであった。施設により有意差があったが、その程度は個人差に比べて許容できる程度に小さく、わが国における本法の正常データベースの構築は十分可能と考えられた。 次に、各被検者の脳画像を解剖学的に標準化し、標準脳座標系において、正常例の平均画像を作成した。12施設76人のCBFデータをSPM99を用いて解剖学的標準化し、さらに同条件でCMRO2、OEF,CBV画像も標準化し、それぞれの平均正常画像を作成した。これはわが国における本法で測定した脳の各部位における正常値の指標となると考えられた。
|