研究課題/領域番号 |
14570903
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
和田 一丸 弘前大学, 医学部, 教授 (60241486)
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研究分担者 |
岡田 元宏 弘前大学, 医学部, 助手 (10281916)
兼子 直 弘前大学, 医学部, 教授 (40106852)
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キーワード | てんかん / 感情障害 / シナプス蛋白 / カルシウムイオンチャネル / 開口分泌 / 蛋白相互作用 / グルタミン酸 / GABA |
研究概要 |
難治性てんかんの一つである、側頭葉てんかん患者では、海馬の選択的な萎縮を伴う組織学的変異が認められ、"海馬硬化"と称されている。本年度は、海馬神経伝達機構が障害されているにもかかわらず、海馬を焦点として、てんかん発作が生じる機序を解明する目的で、海馬の主要入力及び出力経路である、entorhinal-cortex(EC)と海馬の神経伝達機構の解析を試みた。 高速CCDカメラと多電極細胞外電位測定電極を装着したoptical-MEDを用いた実験では、ECから海馬への入力は、古典的な主要経路であるperforant-pathwayとこの他にtemporoammonic pathwayの2経路が存在し、海馬硬化においてはperforant-pathwayの機能が低下し、逆にtemporoammonic pathwayを介した経路の伝達機能亢進が生じている可能性が示唆された。 In vivo microdialysisを用いた、神経伝達物質遊離測定実験では、このtemporoammonic pathwayの興奮性伝達はグルタミン酸であり、抑制性伝達はGABAによってそれぞれ制御されていたが、protein kinase Aはグルタミン酸及びGABA系伝達機能を亢進するが、protein kinase CはGABA優位に機能を亢進していた。 二次性全般化発作に対して有効なゾニサミドとバルプロ酸は、perforant pathway及びtemporoammonic pathwayの興奮性伝播を抑制していた。
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