1.健康成人6名(男子3名・女子3名)を対象に、以下の記録、測定を行った。 (1)睡眠覚醒リズム表の自記記録をした(夏・冬各1ヵ月)。また、一日の終わりに気分や能率の良し悪しなどをvisual analog scaleにて記録した。 (2)AMI杜製Motion logger Actigraphを非利腕手首に装着し、各1分間の活動数(0.01G以上)を測定した(夏・冬各1ヵ月)。 (3)深部体温(直腸・膣温)を0.01℃の分解能で1分毎に測定した(夏・冬各1週間)。 (4)夏・冬の2時点において、1時間間隔24時間連続の採血を行った。室内照度は15lux以下とし、室内での生活はad libitumとした。血漿オレキシンA、血清メラトニン、血糖値の測定を行った。メラトニンに関してはThree harmonic regressionを行い、その頂点時刻(3HMAX)を求めた。 2.結果 (1)睡眠覚醒時刻とメラトニン頂点時刻 被検者6名のうち、体調不良により夏の採血が出来なかった1名、採血時に睡眠覚醒リズムがフリーランしていた1名、の計2名は解析から除外した。残る4名に、平成10〜11年度科学研究費奨励研究(A)により実施した4名の結果を合わせた計8名のデータを解析した。入眠時刻が夏0141h、冬0200h、覚醒時刻が夏0751h、冬0824hであったのに対し、メラトニンの頂点時刻(3HMAX)は夏0258h、冬0406hであった。睡眠覚醒リズムよりもメラトニンリズムの方が季節変動が明瞭(変動幅が大きい)と言え、概日リズム指標間の位相角差に季節性変動があることを示している。 (2)オレキシンA 被検者6名のうち、夏の採血が出来なかった1名を除外し、残る5名のデータを解析した。夏、冬とも概日変動は認めなかった。季節変動は明瞭に認め、夏47.1、冬21.4pg/mlであった。 (3)他の指標は解析中である。
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