1.睡眠覚醒時刻とメラトニン頂点時刻 被検者は、予め文書で同意を得た健康成人8名(24.8歳)である(平成10〜11年度科学研究費奨励研究(A)により実施した者を含む)。研究を行った甲府周辺の日出・日没時刻は、夏冬で約2時間20分の変動がある。被検者は、睡眠覚醒リズム表の自記記録をした(夏冬各1ヵ月)。各日の主な睡眠相の入眠・覚醒時刻を10分単位で求め、被検者ごとに各1ヵ月の平均入眠・覚醒時刻を算出した。また、夏冬の2時点において、1〜3時間間隔24時間連続の採血を行った。室内照度は15lux以下とし、室内での生活はad libitumとした。血清メラトニンをRIA法により測定した。得られたメラトニン値に対して、three harmonic regressionを行い、その頂点時刻(3HMAX)を求めた。入眠時刻が夏0141h、冬0200h(有意差なし)、覚醒時刻が夏0751h、冬0824h(夏冬差33分)であったのに対し、メラトニン頂点時刻(3HMAX)は夏0258h、冬0406h(夏冬差1時間8分)であった。睡眠覚醒リズムよりもメラトニンリズムの方が季節変動が明瞭(変動幅が大きい)と言え、概日リズム指標間の位相角差に季節性変動があることを示している。 2.オレキシン-A 文書で同意を得た健康成人5名(26.0歳)を対象とした。夏冬の2時点において、1時間間隔24時間連続の採血を行った。血漿オレキシン-AをRIA法により測定した。オレキシン-Aは、夏冬とも概日変動を認めなかったが、季節変動は明瞭に認められた。全平均値は夏47.1、冬21.4pg/mlであった。 3.他の指標 併せて気分調査票の記録、活動数測定、深部体温測定を行っているが、これらについては解析中である。
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