研究概要 |
産後うつ病を対象として日本のヘルス・ケア・システムに関した研究を行うため、EUのプロジェクト"Quality of life and management of living resources 20, Public health and health services research"(Coordinator : Dr. Maureen Marks, Institute of Psychiatry, London)の研究プロトコールの中で、1.日本版の診断面接方法および診断などの開発 (1)スクリーニング・インタビュー(DSM-IV診断)のための日本版SCID-1(Structured Clinical Interview for DSM-IV-PND)の翻訳・手引書の完成 (2)新たに追加になったHOME Inventoryの翻訳・マニュアルの日本版の完成 2.産後うつ病の母子相互関係を評価するために、Winiccot Unit(Murray et al1996)が開発したビデオ撮影によって健常母子群と比較したパイロット研究では、特に産後うつ病の母親と相互関係において有意な差異がみられ、日本人の場合でも、産後うつ病が母子相互関係に与える影響が判明した。 3,EUの今年度の研究打ち合わせでは、産後うつ病の乳幼児の認知障害や精神発達に与える影響については、プロトコールに妥当性が少ないことから、長期の追跡は中止することになった。その代わりに、Health Provisionに関した詳細な研究を充実させるために、CAN-Rを追加して、患者のニーズを把握すると共に、生活の質、サービスの利用状況について、従来のプロトコールの修正と追加があった。
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