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2003 年度 研究成果報告書概要

分裂病の神経発達障害モデル動物のNMDA受容体グリシン部位調節の発症予防効果

研究課題

研究課題/領域番号 14570937
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 精神神経科学
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

丹羽 真一  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30110703)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
キーワード幼若期海馬障害ラット / 神経発達障害仮説 / NMDA受容体 / グリシン / D-セリン / methamphetamine
研究概要

これまで我々は、統合失調症の神経発達障害仮説に基づくモデル動物である幼若期腹側海馬傷害ラットに対し、(1)傷害ラットでは、思春期後にあたる生後56日目(PD56)で新奇環境変化(HAB)およびmethamphetamine(MAP)腹腔内投与により移所運動量の増加がみられること、(2)N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体のantagonistであるphencyclidine(PCP)投与によっても移所運動量が増加し、その際、側坐核でのドパミン(DA)流量に増加がみられないこと、(3)NMDA受容体のglycine site agonistであるグリシンの前投与(単回腹腔内投与)によりMAP誘発性の移所運動量増加が抑制されること、等を確認し、モデルラットの異常行動発現にはDA系に加えNMDA系も関与する事を明らかにしてきた。統合失調症患者においては、グリシンの経口投与が陰性症状を改善することも報告されており、新しい治療薬開発への糸口となることが期待されている。そこで今回、glycine site agonist(グリシン・D-セリン)の直接的・持続的な影響を考察するため、モデルラットにPD42-56の14日間グリシンまたはD-セリンを脳室内に持続的に投与し、思春期後の異常行動発現に対する抑制効果を検討した。以下は結果である。(1)思春期前にあたるPD35では、HABおよびMAP投与時の移所運動量は非傷害群・傷害群間で有意差を認めなかった。(2)PD56-HABでは、非傷害-グリシン投与群と傷害-グリシン投与群間および非傷害-D-セリン投与群と傷害-D-セリン投与群間で移所運動量に有意な差は認められなかった。(3)PD56のMAP投与時でも、非傷害-グリシン投与群と傷害-グリシン投与群間および非傷害-D-セリン投与群と傷害-Dセリン投与群間で移所運動量に有意差は認められなかった。以上のことから、グリシンの持続脳室内投与が、モデルラットの異常行動発現を抑制する可能性が示唆された。今後も例数を増やし、更なる検討を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2003

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 精神分裂病(統合失調症)の病因論、異種性をめぐって2003

    • 著者名/発表者名
      丹羽 真一
    • 雑誌名

      精神医学史研究 7

      ページ: 18-21

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Different effects of phencyclidine and methamphetamine on firing activity of medial prefrontal cortex neurons in freely moving rats2003

    • 著者名/発表者名
      Eiichi Jodo, Yoshiaki Suzuki, Satoshi Takeuchi, Shin-ichiiwa, Yukihiko Kayama
    • 雑誌名

      Brain Research 962

      ページ: 226-231

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 統合失調症の診断と分類2003

    • 著者名/発表者名
      西郷 佳世、丹羽 真一
    • 雑誌名

      日本臨床 38

      ページ: 15-22

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 産後精神病2003

    • 著者名/発表者名
      畑 哲信、畑 馨、丹羽 真一
    • 雑誌名

      日本臨床 38

      ページ: 148-151

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 注意欠陥/他動性障害の成人女性への治療におけるメチルフェニデートの効果と血漿MHPGおよびHVAレベルの変化2003

    • 著者名/発表者名
      岡野 高明、高梨 靖子、宮下 伯容、増子 博文、大須賀 伸佳、山本 俊昭、田子 久夫、丹羽 真一
    • 雑誌名

      脳と精神の医学 14

      ページ: 235-247

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 異所性灰白質を伴った統合失調症の1症例2003

    • 著者名/発表者名
      上野 卓弥、橋本 幹雄、三浦 至、菊地 百合子、増子 博文、丹羽 真一
    • 雑誌名

      福島医学雑誌 53

      ページ: 265-269

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 新世紀の精神科治療9薬物療法と心理社会療法の総合2003

    • 著者名/発表者名
      丹羽 真一編集
    • 出版者
      中山書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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