研究課題/領域番号 |
14570940
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
切池 信夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60094471)
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研究分担者 |
岩崎 進一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70326263)
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キーワード | 母子分離 / 栄養素 / 閉所ストレス / 制限給餌 / ストレス / ラット / rebound hyperphagia / 心理ストレス |
研究概要 |
出性直後のWistar雌性ラットを1日6時間母体から分離して飼育する母仔分離ストレスを3週間与え、9週齢目から1日2時間の制限給餌を1週間施行した。その後自由摂餌に戻した時に閉所ストレスを加え、その時生じた反跳性過食状態において、ラットを高蛋白含有飼料、高炭水化物含有飼料、高脂肪含有飼料、標準飼料を与える群に分け、その時における各群の摂餌量を比較した。その結果、母仔分離ストレスを加えた場合の反跳性過食状態時において、母仔分離ストレスを加えていない場合の反跳性過食状態時に比して、何れの摂餌量も増加した。そして各高栄養素含有飼料についてみると、高炭水化物含有飼料が最も多く、かつ母仔分離ストレスを加えることにより増加した。ついで高脂肪含有飼料で、最も少なかったのが高蛋白含有飼料であった。次に母仔分離ストレスを加えた場合の反跳性過食状態時における高炭水化物含有飼料摂餌時の線条体ドパミンとセロトニン、およびその最終代謝産物濃度を20分毎に自動的に電気化学検出器付きき高速液体クロマトグラフィー(HPLC-ECD)にて測定した。その結果、時間制限給餌と反跳性過食状態時において、何れの神経伝達物質においても、その基礎放出値および反跳性過食開始後の変化にも有意な差を認めなかった。これらのことから線条体ドパミンとセロトニンは、母仔分離ストレスを加えた場合の反跳性過食状態時における高炭水化物含有飼料の摂餌に関与していないことが示唆された。今後、前頭皮質、側座核、視床下部など摂餌行動に関与する脳部位において、これらのことを検討する必要がある。
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