研究概要 |
(1)同種造血幹細胞移植を受けた白血病患者におけるドナー由来T細胞クローンの消長 ドナーに由来する成熟T細胞クローンが移植を受けた患者体内でどのくらいの期間生存するのかをT細胞抗原受容体β鎖可変領域(T-cell receptor β chain variable region, TCRBV)CDR3(complementarity-determining region 3)領域をクローナルマーカーとして解析した。その結果、ドナーのT細胞クロ一ンは移植後約2年間、症例によっては5年間レシピエントの体内に存在することを確認した(論文投稿中)。 (2)急性GVHD病変組織においてclonal expansionを示すT細胞クローンの同定 同種造血幹細胞移植を受けた白血病患者の生体内において同種抗原を認識する特異的なT細胞のリクルートメントおよびクローンの増大が観察されるかどうか検討するために、急性移植片対宿主病(graft-versus-host disease, GVHD)組織においてより高頻度に使用されているT細胞抗原受容体について解析した。その結果、急性GVHD病変組織において特異的に拡大しているクローンの存在が確認された(Bone Marrow Transplantation 2002;30:915-923)。
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