研究課題/領域番号 |
14570969
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中条 達也 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (00303298)
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研究分担者 |
中尾 眞二 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70217660)
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キーワード | 再生不良性貧血 / 骨髄異形成症候群 / 発作性夜間血色素尿症 / 自己免疫疾患 / 自己抗体 / 造血幹細胞 / SEREX法 / ヘルパーT細胞 |
研究概要 |
(1)再生不良性貧血において、造血幹細胞に対する自己免疫反応を逃れて後天的にPIG-A遺伝子にmutationを持つPNH形質の血球が増加することを報告してきたが、今回骨髄異形成症候群の一部の例においても再生不良性貧血と同様にPNH形質の血球が増加していることを見いだした。このような例では、染色体異常の頻度が少なく、免疫抑制療法に反応しやすいことを報告した(論文として発表)。 (2)PNH血球の増加した自己免疫性造血障害患者の血清中に、巨核芽球性白血病細胞株UT7に対する自己抗体のあることを、抗ヒト免疫グロブリン2次抗体を用いた蛍光抗体法によって確認した。 (3)蛍光抗体法の結果より高い抗体価が予想された患者の血清を用いて、UT7のlysateに対するwestern blotを行った。その結果、lysate中の80kDaの蛋白に対して患者血清中の抗体が反応した。UT7 lysateを用いて多数例にてwestern blotを用いて検討したところ、この80kDaの蛋白に対する抗体は、HLA DR15を保有しPNH血球の増加がみられる自己免疫性造血障害患者にのみ見いだされた。この結果は、2002年アメリカ血液学会にて報告された。 (4)次に、このUT7よりcDNA libraryを作成し大腸菌にて発現させて、lysateの80kDa蛋白に対する抗体をもつ患者血清を用いてスクリーニングした。複数のクローンが採取され、シークエンスして遺伝子を同定した。このうち、Ribosomal protein L14などいくつかについて、phage plate assayを用いて患者血清中の抗体が認識することを確認した(2002年アメリカ血液学会にて報告)。さらに、標識遺伝子との融合遺伝子を作成し、発現ベクターにて大量に発現させて精製し、患者血清中の抗体が精製された遺伝子産物を認識することを確認した。
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