研究課題/領域番号 |
14570975
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
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研究分担者 |
東辻 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (60281094)
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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キーワード | 造血幹細胞 / 肝細胞 / レトロウイルスベクター |
研究概要 |
近年、種々の組織における幹細胞が、かなりの可塑性を持ち、他の系列の細胞へと分化しえることが明らかとなってきた。従来、造血に関与すると考えられてきた、骨髄中の(造血)幹細胞も、肝細胞、筋細胞、神経系細胞、上皮系細胞へと分化する可能性を持つことが示唆されている。この「他の系列の細胞へと分化しえる(造血)幹細胞」は、再生医学のみならず、遺伝子導入の標的細胞の有力な候補として遺伝子治療への応用が考えられている。 本年度においては、FMEVタイプのレトロウイルス・ベクターを用いて、ヒトの「肝臓の細胞(他の系列の細胞)へと分化しえる(造血)幹細胞」へ遺伝子導入を試み、遺伝子の導入効率、発現効率に関して以下の知見を得 (1)FMEVタイプのベクターが、この細胞で充分な遺伝子発現をもたらすことを確認した。 (2)FMEVタイプのベクターに制がん剤耐性遺伝子(MGMT/P140K)を挿入し、導入された細胞が、in vitroで濃縮できることを確認した。現在、生体内で再濃縮出来るかを検討中である。 (3)マウスの骨髄中の造血幹細胞が、肝細胞へ分化することを確認した。また、導入された遺伝子が、肝細胞への分化後も発現されることを確認中である。
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