研究概要 |
前年度から引き続き、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes, MDS)および白血病化したMDSについて、芽球をBlastretreiver液を用いた比重遠心分離で精製し、芽球表面形質や生物学的特性を検討した。 前年度にMDSに特異的な未熟芽球を検出することに成功したが、この細胞特性を詳細に検討したところ、この細胞は、(1)CD45陰性かつCD34陰性で他の造血系統マーカーも発現していないこと、(2)in vitroでマウスstroma細胞と共培養すると、増殖能力は著しく低いもののCD34陽性細胞に分化すること、(3)分離直後の細胞はコロニー形成能を欠くが、stroma細胞との共培養後にコロニー形成能を獲得するすること、などを確認した。これらの知見から、この細胞は、極めて未熟なMDS幹細胞ではないかと考えられた。以上の結果をまとめ論文投稿し(Stem Cells誌印刷中)、また工業所有権の追加申請も行った。現在さらに関連した検討を継続中である。
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