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2003 年度 実績報告書

慢性胃炎および胃MALTリンパ腫における樹状細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 14571004
研究機関関西医科大学

研究代表者

森 眞一郎  関西医科大学, 医学部, 講師 (60330205)

研究分担者 尼川 龍一  関西医科大学, 医学部, 助教授 (10309213)
福原 資郎  関西医科大学, 医学部, 教授 (40142301)
キーワード樹状細胞 / MALTリンパ腫 / Th偏向
研究概要

本研究では、低悪性度MALTリンパ腫における樹状細胞(Dendritic cell:DC)の役割を検討した。生検パラフィン標本を使用し免疫組織染色を施行しfascin抗体をDC認識に用いた。慢性胃炎(10例)および胃MALTリンパ腫(13例)ともにfascin陽性DCを認めた。他にfascin陽性細胞が多数検出されたが(血管内皮細胞など)DCとの鑑別は可能であった。H.pylori感染の有無でDC分布(低倍率数視野平均実数)に相違は認めなかった。濾胞間領域(T細胞領域)にfascin陽性DCが主に集積していた。しかし、fascin陽性DCの極めて少ない症例もあり一定していなかった。
fascin陽性DCの表面抗原はCD1a陰性CD4陰性CD21陰性であった。さらに、DCの亜群を決定するため、interdigitating DCのマーカーであるDC-LAMPおよびplasmacytoid DCのマーカーであるIL-3を染色した。DC-LAMP陽性および陰性DCを認めた。IL-3R陽性細胞は検出されなかった。したがって、胃MALTリンパ腫に存在するDCは、いくつかの亜群が存在するが主に骨髄系DCでありリンパ系のDCの存在は確認できなかった。DCはT細胞の分化の方向付けることによってTh偏向に関与している。3例のMALTリンパ腫のTh偏向を検討した。免疫組織染色法によってIL-4、IL-10、IL-12、IFN-α、IFN-γの染色を施行した。IFN-γおよびIL-10は全ての症例で検出した。IL-4は1例のみ検出した。DC分泌サイトカインであるIL-12、IFN-αは全ての症例で検出できなかった。これら結果から、胃MALTリンパ腫はTh1優位が示唆されるがDC自身のサイトカイン分泌によるTh偏向は否定的であった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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