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2003 年度 実績報告書

転写因子PU.1により赤白血病細胞において発現誘導される新規遺伝子の単離と同定

研究課題

研究課題/領域番号 14571005
研究機関(財)佐々木研究所

研究代表者

山田 俊幸  財団法人佐々木研究所, 細胞遺伝部, 主任研究員 (20183981)

研究分担者 根岸 文子  財団法人佐々木研究所, 細胞遺伝部, 研究員 (40177902)
キーワードPU.1 / CKLiK / マウス赤白血病(MEL) / 細胞増殖 / アポトーシス
研究概要

我々は昨年度、PU.1を過剰発現したマウス赤白血病(MEL)細胞で発現の上昇する新規遺伝子として、カルモデュリン依存性キナーゼであるヒトcalcium-calmodulin-dependent kinase I-like kinase(CKLik)遺伝子のマウスホモログと思われる遺伝子を単離した。本年度は引き続き同遺伝子の性格づけならびに機能解析を行なった。同遺伝子はマウスにおいて通常はリンパ節で高く発現しており、またFISHによる解析からマウス第2染色体のA2-A3領域に存在することが示された。遺伝子産物にはスプライシングの違いに由来するカルボキシル末端の異なる2つのアイソフォーム(mCKLiK-αとmCKLiK-βと名づけた)が存在したので、これらの遺伝子産物をそれぞれMEL細胞中で過剰発現させその影響を検索した。10%血清を含む通常培地中ではこれら2つの細胞の増殖に差異は見られなかったが、低血清(1%)培地中では両細胞とも増殖が抑制されアポトーシスが誘導された。さらに低血清培地中でカルモデュリン依存性キナーゼを活性化することが知られているionomycinを投与したところ、mCKLiK-βを過剰発現した細胞では増殖がさらに抑制されアポトーシスがより高率に誘導されたが、mCKLiK-αを過剰発現した細胞ではアポトーシスは逆に抑制された。またβ-globin遺伝子の発現を指標とした検索から、MEL細胞の赤血球分化はいずれのアイソフォームによっても抑制されないものと考えられた。これらのことからmCKLiK遺伝子はEtsファミリー転写因子により発現誘導され、MEL細胞の増殖やアポトーシスに関与しているものと推察された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yamamoto H. et al.: "Interaction between the hematopoictic Ets transcription factor Spi-B and the coactivator CBP associated with negative cross-talk with c-Myb."Cell Growth Differ.. 13. 69-75 (2002)

  • [文献書誌] Sakurai T. et al.: "Effects of overexpression of the Ets family transcription factor TEL on cell growth and differentiation of K562 cells."Int.J.Oncol.. 22. 1327-1333 (2003)

  • [文献書誌] Manabe N. et al.: "Prevention of PU.1-induced growth inhibition and apoptosis, but not differe-ntiation block in murine erythroleukemia cells by overexpression of CBP."Int.J.Oncol.. 22. 1345-1350 (2003)

  • [文献書誌] Oikawa T. et al.: "Morecular biology of the Ets family of transcription factors."Gene. 303. 11-34 (2003)

  • [文献書誌] Suzuki M. et al.: "Direct association between PU.1 and MeCP2 that recruits mSin3A-HDAC complex for PU.1-mediated transcriptional repression."Oncogene. 22. 8688-8698 (2003)

  • [文献書誌] Yamada T. et al.: "Effects of PU.1-induced mouse calcium-calmodulin-dependent kinase I-like kinase (CKLiK) on apoptosis of murine erythroleukemia cells."Exp.Cell Res.. 294. 39-50 (2004)

  • [文献書誌] 山田俊幸: "PU.1はリンパ球系前駆細胞においてインターロイキン7受容体の発現を調節している"分子細胞治療. 2. 138-139 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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