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2002 年度 実績報告書

熱ショック蛋白質の遺伝子導入による腎障害抑制効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14571011
研究機関秋田大学

研究代表者

小松田 敦  秋田大学, 医学部, 助手 (70272044)

研究分担者 伊藤 英晃  秋田大学, 医学部, 助教授 (80168369)
涌井 秀樹  秋田大学, 医学部, 講師 (70240463)
キーワード熱ショック蛋白質 / HSP60 / HSP72 / HSP90 / シャペロン / 遺伝子導入 / 耐性 / 浸透圧
研究概要

細菌のHSP60はミトコンドリアのみに局在し、ミトコンドリア内でchaperoneとして機能すると考えられている。我々は、初めてほ乳類からHSP60を精製し、特異抗体を作製した。その抗体を使用してHSP60の細胞内局在を検討したところ、細胞質(細胞質HSP60)にも存在することを明らかにした。その意義に関しては未だ明らかでないが、我々は、免疫抑制剤の一つであるミゾリビンにHSP60が特異的に結合し、immunophilinとして機能することを初めて報告した。また、細胞質HSP60がミトコンドリアに移行する機序に関しても不明であった。今回我々は、この機序を解明する目的で、脱水ラット腎を用いて、HSP60の細胞内局在変化を検討した。HSP60は腎皮質、髄質、乳頭部のいずれにも存在していたが、脱水により乳頭部にのみHSP60の高発現を認めた。細胞各分のimmnoblotによる検討では、細胞質各分で著減し、ミトコンドリア各分で増加が認められた。したがって、HSP60は脱水などのある種のストレスにより、細胞内局在が変化することが判明した。HSP60は、腎臓において高浸透圧の維持または水代謝に関連している可能性がある。
以前我々は、睾丸特異的105kDaストレス蛋自質(HSP105)を精製し、特異抗体を作製した。これを用いて腎臓での局在を検討し、髄質に局在すること明らかにした。さらに、これの生化学的性状を検討し、HSP105は既に報告されているosmotic stress protein 94(OSP94)と同蛋白質であることが判明した。OSP94は脱水により腎髄質で発現が増加することが報告されているが、HSP105ではこの現象が明らかでなかった。この相違が、検出方法等によるものか不明であり、今後の検討課題である。
以前に確立したHSP72およぴHSP90過剰発現LLC-PK1細胞株を用いて,浸透庄変化に対する耐性能を解析した。両過剰発現LLC-PK1細胞株ともに、浸透圧変化に対する耐性能はコントロールと有意な変化を示さなかった。この結果は、継代による細胞株の劣化による可能性もあり、再度トランスフェクションして同様の検討を試みる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Matsumori M: "Characterization of the 105-kDa molecular chaperone. Identification, biochemical properties, and localization"Eur J Biochem. 269. 5632-5641 (2002)

  • [文献書誌] Itoh H: "Mammalian HSP60 is quickly sorted into the mitochondria under conditions of dehydration"Eur J Biochem. 269. 5931-5938 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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