研究課題/領域番号 |
14571011
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小松田 敦 秋田大学, 医学部, 講師 (70272044)
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研究分担者 |
伊藤 英晃 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80168369)
涌井 秀樹 秋田大学, 医学部, 講師 (70240463)
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キーワード | 熱ショック蛋白質 / HSP73 / GM / シャペロン活性 / 腎毒性 |
研究概要 |
ゲンタマイシン(GM)は、アミノグリコシド系抗生物質の一つで抗菌力にすぐれ、臨床でも広く〓されている。しかし、それの連用や過剰投与により腎毒性や聴覚障害が出現するため、臨床的に〓使用が制限されている。その腎毒性の機序として、尿細管上皮細胞のライソゾームに〓phospholipaseの活性をGMが阻害し、ライソゾーム内に脂質が蓄積して細胞機能障害を来すと考〓れている。 以前我々は、ラットにGMを連日投与し、急性尿細管障害モデルを作製した。このモデルにおい〓障害された近位尿細管上皮細胞のライソゾーム内にHSP73が集簇することを報告したが、その機〓不明であった。今回我々は、この機序を解明する目的で、in vitroの系でGMが特異的に結合す〓白質を検討した。まず、GMアフィニティーカラムと豚腎細胞質画分を用いてGM特異的結合蛋白〓検討したところ、73kDaの蛋白質が抽出された。免疫ブロットにより、その蛋白質はHSP73と同〓れた。また、CDスペクトラ解析により、HSP73にGMが結合することによりHSP73の構造が変化す〓とが明らかとなった。In vitroにおいてHSP73はrhodaneseの凝集を防止するchaperone活性を〓るが、GMの存在下ではそのchaperone活性が抑制された。GMのHSP73結合部位はC端側3分の1〓位であり、ペプチド結合ドメインであった。免疫組織学的検討でも、障害された近位尿細管上皮〓のライソゾーム内のHSP73とGMの局在が一致することが判明した。これらの結果より、GMはH〓と特異的に結合することによりHSP73のchaperone活性を抑制し、これが腎臓におけるHSP73の〓的役割を阻害し腎毒性を引き起こす一つの原因に成り得ると考えられた。
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