| 研究課題/領域番号 |
14571017
|
|---|
| 研究機関 | 新潟大学 |
|---|
研究代表者 |
矢尾板 永信 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00157950)
|
|---|
| 研究分担者 |
吉田 豊 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40182795)
山本 格 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30092737)
|
|---|
| キーワード | 腎臓 / 糸球体 / 足細胞 / コネキシン43 / ギャップ結合 / ピューロマイシン / 培養細胞 / コミュニケーション |
|---|
| 研究概要 |
糸球体濾過の調節、糸球体病変形成機序など生理学的・病理学的に重要な糸球体上皮細胞(足細胞)の役割を理解するためには、足細胞間にどのような相互作用が存在するのかを解明する必要がある。本研究では、gapjunctionの構成分子であるコネキシン43(Cx43)を中心に解析を進めた。ヒトネフローゼのモデルであるラットpuromycin aminonucleoside(PAN)腎症にて、Cx43の経時的変化を検討した。PAN投与後6時間、1日、2日、4日、6日、10日目の腎臓で、Cx43の免疫染色し、また糸球体を単離してribonuclease protection assay、Western blottingにてCx43のmRNAと蛋白質の変化を解析した。免疫染色では、PAN腎症を通じてCx43を示す点状の染色が糸球体係蹄壁に沿って特異的に増加した。免疫電顕では、Cx43が隣接する足細胞間に著明に増加するのが、確かめられた。mRNAと蛋白質は、PAN投与後、6時間目ですでに、増加とリン酸化の亢進が生じていた。足細胞の初代培養にマイクロインジェクション装置でLucifer yellowを注入し、機能的なgap junctionの有無を検討した。足細胞間にLucifer yellowの拡散が高頻度に観察されgap junctionが存在することが確かめられた。対照として用いたBowman嚢壁側上皮細胞はこのようなLucifer yellowの拡散は稀であった。以上の結果は、足細胞間にgap junctionが存在し、足細胞傷害時にこの結合が増加することを示している。すなわち、足細胞は傷害時に傷害に対して合胞体としてふるまう可能性が示された。
|
