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2002 年度 実績報告書

ノックアウトマウスを用いた尿細管における電解質輸送の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14571031
研究機関自治医科大学

研究代表者

武藤 重明  自治医科大学, 医学部, 助教授 (40190855)

研究分担者 宮田 幸雄  自治医科大学, 医学部, 講師 (00285777)
キーワードP-glycoprotein / 近位尿細管 / 基底側膜Na / H交換輸送体 / mannitol
研究概要

P-糖蛋白質(P-gp)を欠損したマウス(KO)とその野生型マウス(WT)の近位尿細管S2セグメントをcollapseした状態で灌流し、細胞容積調節におけるP-gpの役割の解明と細胞容積調節に関わるトランスポーターの同定を試みた。基底側の浸透圧を300から180mOsm/kgH_2Oに低下させると、細胞容積はWT、KOマウスいずれも一過性の増加後に調節性容積減少(RVD)を認めた。WT、KOマウス共に、2つのP-gpの阻害薬(verapamil、cyclosporin A)存在下で、低浸透圧刺激を加えてもRVDは不変であった。KOマウス近位尿細管にmannitolによる高浸透圧刺激(500mOsm/kgH_2O)を加えると、細胞容積は一過性の減少後に調節性容積増加(RVI)を認めたが、WTマウスでは細胞容積は減少したままで、RVIは出現しなかった。WTマウスでは、上記P-gpの阻害薬存在下でmannitolによる高浸透圧刺激を加えるとRVIが出現したが、有機カチオン輸送体の阻害薬(tetraethylammonium)存在下でmannitolによる高浸透圧刺激を加えてもRVIは起こらなかった。KOマウスでは、細胞外液Na除去やNa/H交換輸送体(NHE)の特異的阻害薬(ethylisopropylamiloride、EIPA)添加により、mannitolによる高浸透圧刺激で出現したRVIは完全に消失した。WTマウスでは、P-gp阻害薬存在下でmannitolによる高浸透圧刺激を行った時に出現したRVIは、細胞外液Na除去やEIPA添加により完全に消失した。mannitolによる高浸透圧刺激で、KOマウス近位尿細管基底側膜のNHEは活性化されたが、WTマウスでは起こらなかった。WTマウスの近位尿細管にcyclosporin A存在下でmannitolによる高浸透圧刺激を加えると、NHEの活性化が出現した。以上より、1)マウス近位尿細管で、P-gpは低浸透圧刺激時に出現するRVDには関与しない、2)P-gp活性非存在下では、mannitolによる高浸透圧刺激でRVIが起こるが、P-gp活性存在下では起こらない、3)mannitolによる高浸透圧刺激で出現するRVIは、基底側膜のNHEの活性化を介して起こる、ことが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miyata Y.: "P-gp-induced modulation of regulatory volume increase occurs via PKC in mouse proximal tubule"American Journal of Physiology(Renal Physiology). 282. F65-F76 (2002)

  • [文献書誌] Miyata Y.: "Hyperosmotic mannitol activates basolateral NHE in proximal tubule from p-glycoprotein null mice"American Journal of Physiology(Renal Physiology). 282. F718-F729 (2002)

  • [文献書誌] Miyata Y.: "Hyperosmotic urea activates basolateral NHE in proximal tubule from P-gp null and wild-type mice"American Journal of Physiology(Renal Physiology). 283. F771-F783 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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