研究課題
基盤研究(C)
Hensinは代謝性アシドーシス時に集合管β間在細胞に作用して重炭酸分泌を抑制する新しい蛋白質であるが、その病態生理学的な役割を明らかにすることを目的として、以下の検討を行った。(1)in vitroでの検討:hensinの抗体を作成したのち、ウサギ集合管を単離潅流し、正味の重炭酸再吸収量を測定した。その後、抗hensin抗体(100ng/ml)またはコントロールとしてimunizing peptideを加えたpH6.8の浴液に3時間置き(in vitro acidosis)、その前後での変化を比較した。更に、これらに供された尿細管に対して、実験終了後にhensin抗体および蛍光2次抗体を加えたのち固定し、共焦点レーザー顕微鏡によりhensin蛋白の細胞外マトリックスへの沈着量を評価した。これにより、抗hensin抗体添加により、hensin蛋白の細胞外マトリックスへの沈着量が減少し、代謝性アシドーシスに対する集合管β間在細胞の適応現象が消失することが明らかになった。(2)in vivoでの検討:代謝性アシドーシスモデルとして、にNH4Cl水を3日間負荷および、シクロスポリン慢性投与モデルを選択した。この動物(ウサギ、ラット)に対して、また、同様にウサギ集合管を単離潅流し、定常状態での細胞内pHおよび管腔内Cl濃度をゼロとした場合の変化を測定した。in vivoアシドーシスにおいても、抗hensin抗体添加により、hensin蛋白の細胞外マトリックスへの沈着量が減少し、代謝性アシドーシスに対する集合管β間在細胞の適応現象が消失することが明らかになった。以上のことから、実際の皮質集合管β間在細胞においても、酸分泌型細胞への形質転換が起こっており、この転換には細胞外マトリックスへのhensin沈着が大きく関与していることが明らかになった。
すべて 2004 2003 2002
すべて 雑誌論文 (12件)
Nephrol Dial Transplant 19
ページ: 1339-1340
Life Sci 75
ページ: 809-822
Nephrol Dial Transplant 19(5)
Life Sci. 75
J Pharmacol Exp Ther 304
ページ: 723-728
J Pharmacol Exp Ther 305
ページ: 840-845
J Pharmacol Exp Ther. 304
J Pharmacol Exp Ther. 305
J.Clin.Invest. 109・1
ページ: 89-99
Am.J.Physiol.Renal Physiol. 283
ページ: F1098-F1104
J Clin.Invest. 109
Am J Physiol Renal Physiol. 283