研究課題/領域番号 |
14571035
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
坂本 尚登 北里大学, 医学部, 講師 (80187046)
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研究分担者 |
長場 泰 北里大学, 医学部, 講師 (40255279)
内藤 一郎 重井医学研究所, 超病理部門, 部長
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キーワード | C1C-5チャネル / ソーティング / 遺伝子変異 / Dent(デント)病 / プロテオーム解析 / レクチンファミリー蛋白 |
研究概要 |
これまでに複数のCLCN5遺伝子変異を解析して、発現チャネルのソーティング障害機構には変異部位により多様性があることを明らかにしてきた。そこで、C1C-5チャネルの高次構造変化に伴う機能障害の分子機構を明らかにする目的で、チャネルの細胞内ソーティングの制御に介在する蛋白の同定を試みた。 合成されたチャネルが粗面小胞体(ER)から標的部位までソーティングされる過程に障害をきたすC末端のフレームシフト遺伝子変異(2370/1 ins A)を形質導入培養細胞で同定し、細胞内発現蛋白の変化を二次元電気泳動法(2-DE)を用いて野生型チャネルと比較検討した。 結果的に、変異型を導入した培養細胞において野生型よりも顕著に発現量が低下する2個のスポットが明らかとなった。次に、発現の差異を認めたスポットを対象にMALDI-TOF MS質量分析装置を用いて解析したところ、そのうちの一つはレクチンファミリーに属する蛋白であることがわかった。さらに、野生型C1C-5と同定した蛋白を共に発現する近位尿細管培養細胞(OK)を用いて、同定したレクチンファミリー蛋白のmRNA発現をsiRNAでノックアウトすると、1)野生型C1C-5チャネルの細胞内ソーティングが障害されると同時に、2)アルブミンのエンドサイトーシスが抑制されることが明らかとなった。以上より、C1C-5チャネル発現細胞ではERから最終的な標的部位である初期エンドゾームまでのチャネルのソーティング制御にレクチンファミリー蛋白が介在する分子機構の存在が示唆された。
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