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2003 年度 実績報告書

バイグリカン過剰発現マウスにおける腎障害抑制作用とその機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14571036
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

篠村 裕之  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00235293)

研究分担者 小林 絵美  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00317116)
林 松彦  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60129608)
キーワードバイグリカン / 腎障害 / リモデリング
研究概要

腎臓に発現している代表的なプロテオグリカンであるバイグリカンが細胞増殖および細胞外基質産生に対する作用を検討した。まずプロモーターαSMAの下流にヒトバイグリカンcDNAを挿入しバイグリカン過剰発現マウス(Tg)を得た。その結果Tgマウスで腎細動脈の増殖や肥厚は野生型マウスに比して増加していることを明らかにした。その詳細な機序を明らかにするために、培養血管平滑筋細胞にバイグリカンを投与し、血管平滑筋細胞の増殖や遊走能に与える影響とともに、他の細胞外マトリックス蛋白に与える影響を検討した。培養細胞にバイグリカンを投与すると投与していない細胞に比して細胞数の増加、[3H]thymidineの取り込みが濃度依存的に増加した(Control 48±8、Biglycan 85±12 cpm/ug、p<0.01)。バイグリカンは細胞の遊走を増加させ、AngIIによる細胞遊走作用を更に亢進させることがBoyden chamberを用いて明らかとした(Control:100±14%、Biglycan 487±43%、Ang II 319±43%、Biglycan+Ang II 815±55%)。コラーゲンに与える影響を調べた結果、バイグリカン投与によりその合成が亢進することが判明した。これらの作用の機序を検討するために、細胞周期蛋白であるcdk2,p21,p27をウェスタンブロット法で検討したが、バイグリカン投与によりcdk2の亢進、p27の発現低下を認めた。Tgマウスでも同様な結果を得た。以上より、腎臓に存在するプロテオグリカンであるバイグリカンが細胞の増殖と遊走、更にはコラーゲン合成を調節し、その機序として細胞周期蛋白が関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kobayashi, Sasamura et al.: "Hepatocyte growth factor regulates proteoglycan synthesis in interstitial fibroblasts"Kidney International. 64(4). 1179-1188 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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