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2003 年度 実績報告書

骨髄幹細胞による腎構成細胞の再構築と腎疾患治療への再生医療の応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14571040
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

宇都宮 保典  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70231181)

キーワード骨髄細胞 / メサンギウム細胞 / 糖尿病性腎症 / スカベンジャー受容体 / 泡沫化細胞 / 骨髄移植
研究概要

(目的)現在、進行性糖尿病性腎症の実験モデルはない。そこで、糖尿病性腎症の糸球体障害の修復過程における骨髄細胞の関与を明らかにする目的で糖尿病性腎症モデル(db/db)マウスに高脂肪食を負荷し、進行性糖尿病性腎症モデルの作成を試みた。
(方法)8週齢時雄db/dbマウスおよびそのコントロール(+m/+m)マウスで片側腎摘出を行いその後より、通常(SD)食および高コレステロール(HD)食で飼育した。各マウスで経時的に採血、採尿し生化学的検索を行い、さらに飼育後14週間目に腎組織的検討を行った。
(結果)HD食マウスではSD食マウスに比し糸球体硬化度が強く、さらに糸球体内における泡沫化細胞数も有意に高値を示した。HD食マウスでは血清中TCおよびLDL-C値は有意に高値であった。腎組織上db/dbマウスでは+m/+mマウスに比しメサンギウム内のスカベンジャー受容体発現が増強しており、HD食摂取db/dbマウスではHD食摂取+m/+mマウスに比して糸球体内泡沫化細胞は増加し、III型コラーゲンの発現も増強していた。一方、糸球体内泡沫化細胞はマクロファージの表面マーカーであるF4/80抗原およびLFA-1抗原が陰性であったことよりメサンギウム細胞由来と考えられた。
(結語)糖尿病性腎症モデルであるdb/dbマウスでは、メサンギウム細胞のスカベンジャー受容体の発現が増強しており、高脂肪食はメサンギウム細胞の泡沫化を誘導し、糸球体硬化を促進させることが示唆された。
(今後の展望)今回の研究結果より、糖尿病性腎症発症マウスではメサンギウム細胞におけるスカベンジャー受容体の発現が増強していることが明らかになった。現在までにわれわれは、骨髄細胞がメサンギウム細胞に分化することを報告しており、今後、コントロール(+m/+m)マウスの骨髄細胞をdb/dbマウスに移植し糸球体病変への影響を検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yokoo T, Ohashi T, Utsunomiya Y, et al.: "Gene delivery using human cord blood-derived CD34+cells into inflamed glomeruli in NOD/SCID mice."Kidney Int. 64・1. 102-109 (2003)

  • [文献書誌] Tsuboi T, Utsunomiya Y, Kawamura T, et al.: "Shedding of growth-suppressive gangliosides from glomerular mesangial cells undergoing apoptosis."Kidney Int. 63・3. 936-946 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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