野生型マウスおよびTRHノックアウトマウス(TRHKO)の小脳よりmRNAを抽出し、subtractive hybridizationならびにcDNA microarray法を用いて、TRHKOで発現が低下している遺伝子群を同定した。ESTあるいはゲノムプロジェクトの情報から、cDNAの全長を検索し、さらにその中からアミノ酸N端の蛋白選別シグナルを解析しsignal peptideを有する分泌蛋白を抽出した。さらに、その中からプロホルモン切断部位のコンセンサス配列が存在するもの、そして最後に、絶食にした野生型マウスにおいてその発現量に変化があるcDNAを抽出した。数百のTRH依存性クローンが得られ、その内約60%は既知遺伝子と高いホモロジーを示した。未知クローンの中から、上記のすべての条件を満たすcDNAのひとつとして75アミノ酸からなるMDP1が得られた。MDP1 mRNAは、野生型マウスの特に大脳皮質、小脳、視床下部で強く発現し、絶食処置により有意に減少した。
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