研究課題/領域番号 |
14571068
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 公宣 九州大学, 大学病院, 助手 (90284512)
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研究分担者 |
名和田 新 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10038200)
柳瀬 敏彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30239818)
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キーワード | アンドロゲン受容体 / 転写共役因子 / 核移行シグナル / 核内クラスター / GFP / 共焦点顕微鏡 / AF-1 / コアクチベーター |
研究概要 |
当該年度は、我々がアンドロゲン受容体(AR)AF-1領域結合性の新規の転写共役因子として同定したANT-1の機能的ドメインを明らかにし、機能マップを作製することを目的とした。ANT-1は、そのN端側のおよそ半分で、ARを完全に転写誘導することが明らかとなったため、C端側よりdeletionをかけた断片の発現ベクターを作製し、AR発現ベクターとともにco-transfectionしてレポーターアッセイを施行、さらにそれらの断片と、蛍光タンパク質GFPとの融合タンパク質発現プラスミドを作製し、核移行および核内クラスター形成能を共焦点顕微鏡を用いて観察した。 1)ANT-1の核移行シグナルの同定 ANT-1の核移行には、アミノ酸残基145から172の間にある、塩基性アミノ酸の繰り返しが必須であることが明らかとなった。この配列は、KRK・・・・・KRQRという構造を有していた。Site-directed mutagenesisにより各塩基性アミノ酸に変異を導入すると、前半ないしは後半のモチーフのみの変異では核移行阻害は不十分であったが、NGK・・・・KRQGのように両者を変異させると、核移行はほぼ完全に阻害された。 2)ANT-1の核内クラスター形成シグナルの同定 ANT(1-200)、ANT(1-172)は核移行し、転写誘導能も有していたが、核内クラスターは形成しなかった。このことより、我々が当初予想したごとく、ANT-1のコアクチベーターとしての機能に、核内クラスター形成は必須でないことが明らかとなった。核内クラスター形成に必要な領域は、アミノ酸残基の200から568の間に存在することが明らかとなった。
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