研究課題/領域番号 |
14571068
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 公宣 九州大学, 大学病院, 助手 (90284512)
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研究分担者 |
柳瀬 敏彦 九州大学, 医学研究院, 助教授 (30239818)
名和田 新 九州大学, 医学研究院, 教授 (10038820)
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キーワード | アンドロゲン受容体 / Activation Function-1 / 転写共役因子 / 分子内機能ドメイン / mammalian two-hybrid法 |
研究概要 |
アンドロゲン受容体のN端側に存在する、リガンド非依存性の強い転写活性化能を有するAF-1領域に結合する転写共役因子を同定する目的で本研究をスタートさせた。その結果、スプライシング因子であるU5 snRNP結合タンパク質であるp106(ANT-1)が該当する転写共役因子であることが判明した。平成15年度は、この新しい転写共役因子の分子内の機能的ドメインのマッピングを行った。その結果、核移行シグナル配列、核内コンパートメント形成に必要な配列を同定できた。最終年度である平成16年度は、まだ明らかとなっていないアンドロゲン受容体結合ドメインを決定し、同時にアンドロゲン受容体の当該タンパク質結合領域を同定した。 1)mammalian two-hybrid法と免疫沈降を用いた解析で、ANT-1はアンドロゲン受容体のN端側の第360から第532アミノ酸残基の領域に結合することが明らかとなった。同部位は、アンドロゲン受容体のAF-1領域の中の、τ2と呼ばれる活性化ドメインに相当する。 2)同様にmammalian two-hybrid法と免疫沈降を用いた解析で、アンドロゲン受容体AF-1に結合するANT-1の主要な領域は、アミノ酸残基第390から第490の領域であることが明らかとなった。この領域は、ANT-1分子が有する21回反復するtetratricopeptide repeat(TPR)配列とよばれるきわめて特徴的な構造の前半部分に相当する。また、TPR配列の後半部分にも弱い結合が観察された。 3)さらに、ANT-1のアミノ酸残基第78から第146に存在する転写活性化能は、アンドロゲン受容体に限らず、普遍的なものであり、ANT-1全長が活性化しないエストロゲン受容体のみならず、ウイルスTKプロモーターの転写能も増強させることが明らかとなった。
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