研究課題/領域番号 |
14571073
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
市原 淳弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60203105)
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研究分担者 |
多田 由布子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286471)
小浦 優佳子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90306697)
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キーワード | レニン / 傍糸球体細胞 / アンジオテンシンII受容体 |
研究概要 |
平成15年度は、正常対照ラットから分離した傍糸球体(JG)細胞において、圧依存性プロレニン産生・分泌制御機構におけるphospholipase D(PLD)経路の役割を検討した。PLD阻害薬である100μmol/LのAEBSFで前処置した正常ラット由来JG細胞に12時間の圧を負荷した際、40mmHgの慢性圧負荷により、RSRは68.8±3.4から43.9±3.5%へ有意に減少し、PRSRも13.6±2.3%から5.4±1.0%へ有意に減少した。また、ARCは40mmHgの慢性圧負荷によって影響を受けず、圧負荷前後でそれぞれ66.4±13.2と59.4±14.4ng of Ang I・h^<-1>・million cells^<-1>であった.PRCも40mmHgの慢性圧負荷によって影響を受けず、圧負荷前後でそれぞれ48.6±9.8と45.9±7.2ng of Ang I・h^<-1>・million cells^<-1>であった.TRCはAEBSF処置による影響を受けず、40mmHgの慢性圧負荷前後でそれぞれ115.2±8.4と105.6±5.1ng of Ang I・h^<-1>・million cells^<-1>であった.これらの結果より、正常ラットJG細胞において、AEBSFによるPLD阻害は、慢性圧負荷によるARC減少反応やPRC増加反応を抑制することが示された。また、正常対照ラットから分離したJG細胞において、アンジオテンシンII受容体発現の検討を共焦点レーザー顕微鏡を用いて検討したところ、レニンを顆粒を含むJG細胞の細胞質および細胞膜にアンジオテンシンIIタイプ1受容体およびタイプ2受容体が存在し、それらは刺激のない状態では、細胞膜より細胞質に多く存在し、タイプ2受容体はタイプ1受容体に比べ生理的環境下においては発現が少ないことが判明した。
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