研究課題/領域番号 |
14571097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大澤 春彦 愛媛大学, 医学部, 助教授 (90294800)
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研究分担者 |
大沼 裕 愛媛大学, 医学部, 助手 (00294794)
牧野 英一 愛媛大学, 医学部, 教授 (50009578)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | PDE3B / プロモーター / 転写因子 / PPARγ / 脂肪細胞 / 分化 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 |
研究概要 |
脂肪細胞ホスホジエステラーゼ3B(PDE3B)はインスリンにより活性化され脂肪分解を抑制し血中遊離脂肪酸(FFA)を低下させる。血中FFA上昇はインスリン抵抗性をきたす。すなわち、PDE3B遺伝子発現を特異的に増強すれば、インスリン抵抗性が改善する可能性がある。本研究では、peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)結合部位を欠くマウスPDE3Bプロモーター領域を用いて、脂肪細胞分化によるPDE3B転写活性化の責任DNAエレメント及びその結合転写因子を同定し、PPARγとは異なる新たなインスリン抵抗性改善剤の標的を見出すことを目的とする。 まず、マウスPDE3B5'領域を、2kbから種々の長さに欠失させたルシフェラーゼレポーターコンストラクトを作製した。一方、ヒトPDE3Bプロモーターをクローニングし、解析したがやはり有意なPPAR結合部位を認めなかった。 そこで、ヒトプロモーターも解析した。まず、primer extensionにより転写開始点を決定した。次に、2kbの領域について2型糖尿病24名をPCR直接シークエンスし同定した高頻度のSNPについて、対照200名、2型207名をタイピングした。その結果、5%以上の頻度で同定した-465G>Tと-1727_-1726insTCAATTは完全な連鎖不平衡にあった。-465G>T単独、及び既報の+1389G>Aとによるハプロタイプは2型と関連しなかった。-465T/Tは2型に多い傾向があったが、稀であった。以上より、PDE3B遺伝子のSNPは、日本人2型糖尿病感受性に影響する主要な因子ではないことが想定された。 現在、ヒトPDE3Bプロモーターのルシフェラーゼレポーターの作製を終え、マウスのレポーターと共にルシフェラーゼアッセイを行っている。また、ヒトで同定した2つのSNPについては、その転写因子結合能への効果をゲルシフトアッセイにより解析中である。
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