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2002 年度 実績報告書

HDL新生反応の分子生物学的な解析 〜アポリポタンパク質レセプターならびに細胞内情報伝達系の解析〜

研究課題

研究課題/領域番号 14571104
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

堂前 純子  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70227700)

研究分担者 横山 信治  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142192)
キーワードHDL / コレステロール / ABCA1 / ABCA7 / アポリポタンパク質
研究概要

細胞コレステロール搬出にかかわるアポリポタンパク質レセプターならびに細胞内情報伝達系の解析のため、ヒト由来細胞株293を用いた実験を行い、以下の成果を得た。
1)アポAI依存性HDL形成のない293にABCA1-GFPを導入した。GFPの蛍光強度を指標に高発現株を選択したところ、非常に高いアポAI依存性HDL形成を示した。
2)同様にTangier病患者で報告されたものを含む各種変異を導入したABCA1-GFPについても高発現株を得た。野生型ABCA1-GFPに比べ、アポAI依存性コレステロール放出とリン脂質放出は減少していたが、その程度は株毎に異なっていた。
3)GFPの蛍光を利用して上記1)、2)の株でのABCA1-GFPの細胞内分布を調べると、野生型ABCA1-GFPは主に細胞膜に分布していたが、変異ABCA1-GFPの分布は変異の種類毎に異なっていた。
4)ABCA1と相同性の高いABCA7のアポAI依存性HDL形成作用への影響を調べるため、293へABCA7-GFPを導入した。一過性発現細胞でも、安定発現株でも、アポAI依存性にコレステロールとリン脂質を含むHDLの形成が認められた。
5)ABCA1-GFP発現株のアポAI依存性HDL形成はdBcAMP, PMAで増強されたが、ABCA7-GFP発現株のアポAI依存性HDL形成はdBcAMPの影響は受けず、PMA処理時にはよりかえって減弱した。
以上より、Tangier病患者で見られるABCA1の変異がアポAI依存性HDL新生反応減弱をもたらす機序は単一ではなく、変異の種類毎に異なることが示唆された。
また、ABCA7にはABCA1と同様に、293細胞にアポAI依存性HDL生成能をもたらすことが示された。しかし、薬物投与に対する変化に差があることから、両者の活性調節機構は異なるものと推定される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yamauchi Y, et al.: "Differential regulation of apolipoprotein A-I/ATP binding cassette transporter A1-mediated cholesterol and phospholipid release"Biochim. Biophys. Acta. 1585. 1-10 (2002)

  • [文献書誌] Tanaka AR, et al.: "Effects of mutation of ABCA1 in the first extracellular domain on subcellular trafficking and ATP binding/hydrolysis"J. Biol. Chem.. 278. 8815-8819 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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