研究概要 |
peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR), liver X receptor (LXR), farnesoid X-activated receptor (FXR)は核内でシス型ビタミンAの核内受容体であるretinoid x receptor (RXR)とheterodimerとなり様々な遺伝子を調節している。また、sterol regulatory element-binding protein (SREBP)およびPPARは、ともにCBP/p300(cAMP response element binding protein binding protein)およびSRC-1(steroid receptor coactivator-1)を共通のアクチベータとして、その発現が調節されている。申請者らは昨年までで、ヒトの全長のPPARα、β、γ、LXRα、RXRα、FXRの全塩基配列を含む哺乳類ベクターおよびPPARα、β、γの標的遺伝子であるacy1-CoA oxidase, cellular retinol binding protein II (CRBPII), 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A(HMG-CoA)synthaseのプロモーターを含むコンストラクトを調整した(Inoue I, et al.:Biochem Biophys Res Commum、Revised)。また、SREBP-1のN末、CBP/p300のN末、およびSRC-1の全塩基配列を含む哺乳類ベクターも調節し、癌細胞であるHeLa細胞、ヒト血管内皮細胞、ヒト肝細胞にそれぞれの遺伝子を導入することを確認し、それらの転写活性を評価してきた。さらに、以上のコンストラクトを同時に遺伝子導入することで、特に、PPARの、そのアクチベーターであるCBP/p300およびSRC-1を介する、上記であげた標的遺伝子の転写活性が明らかに異なることが明らかとなった。加えて、申請者が転写因子のターゲット遺伝子として明かとした酸化ストレス(Inoue I, et al.:Metabolism 50:3-11, 2001)、炎症(Inoue I, et al.:Life Science 67:863-876, 2000)に加えて、アポトーシス関連遺伝子(Ikuo Inoue, et al. J Atherosclero Thrombo (in press))およびエリスロポイエチン(Ikuo Inoue, et al. J Atherosclero Thrombo (in press))の蛋白発現にも、PPARが関与することが明らかになり、今後、これらの機序をさらに解明する予定としている。
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