研究課題/領域番号 |
14571119
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
赤坂 伸之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30281885)
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研究分担者 |
稲葉 雅史 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (70151587)
内田 恒 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60301991)
東 信良 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30250559)
笹嶋 唯博 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20109515)
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キーワード | 静脈グラフト / 内膜肥厚 / p38 / shear stress / ずり応力 / 細胞遊走 / mitogen-activated protein kinase |
研究概要 |
自家静脈を動脈に移植した際に惹起される静脈壁のリモデリングとそれに関与する細胞内情報伝達を明らかにした上で、静脈グラフト内膜肥厚を抑制することを最終目標として実験を行っているが、当初、使用したウサギ頚静脈移植モデルでは、(1)静脈グラフトから採取できる蛋白量が少なく、(2)静脈壁が極端に非薄で、ヒトの大伏在静脈と構造上大きく異なることなどの理由から、実験動物をイヌに変更して下記の結果を得た。 1.自家静脈グラフトの蛋白解析 イヌの後脚または前脚の表在静脈(ヒトの小伏在静脈に相当する)を長さ6cm採取し、これを静脈グラフトとして用いて大腿動脈を置換し、移植後30分、120分、3日および7日後に移植グラフトを採取したのち、静脈グラフトをホモジナイズし蛋白を得た。グラフトあたり4〜6mgの蛋白を得ることができ、以下の検討を行った。 2.p38活性化 MAP kinaseの一員であるp38に着目し、p38およびリン酸化p38に対する抗体を使用してウエスタンブロットを行い、p38の活性化を解析した。p38は移植後30分から2時間で活性化され、それ以降活性が消退してゆくことが明らかとなった。しかし、その活性化の程度はTNF-αで刺激したpositive controlの静脈に比して弱く、期待した著しい活性は得られなかった。この結果を確認するとともに、他のMAP kinase familyについても検討する必要があると考える。また、局所的に活性化している可能性もあり、弁部や吻合部など内膜肥厚の好発部位におけるp38活性化を検討して行く。 3.転写因子活性化の解析 静脈グラフトのリモデリングにおける転写因子活性化も、内膜肥厚の治療上のターゲットとなりうる点で重要であり、現在、NF-kB, Egr-1などの転写因子活性を検討中である。
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