研究概要 |
固形腫瘍の治療に対する骨髄非破壊的幹細胞移植による新しい治療法として、樹状細胞を動員することにより腫瘍抗原特異的な細胞障害性T細胞を誘導する以下の方法を考案した。担癌マウスにエレクトロポレーションによりFlt3L遺伝子を導入した後、アロジェニックマウスより骨髄非破壊的幹細胞移植を行い、抗腫瘍効果をin vitroおよびin vivoで検討することを計画した。しかし、Flt3Lの遺伝子導入に予想以上に困難を伴った。そこで、基礎実験として抗原RNAを樹状細胞にエレクトロポレーターを用いて導入する実験を行った。C57BL/6の骨髄由来樹状細胞にそれぞれ構造の異なるEGFP及びlacZのRNAをエレクトロポレーションにより導入した。種々の電圧,時間,回数及びRNA量を用いエレクトロポレーションを施行し,その発現の経時的変化及び樹状細胞の成熟化による影響を検討した。その結果25μgのcapped EGFP RNAを300V,500μs,1パルスの条件でエレクトロポレーションすることにより少ない毒性で最良の発現が得られ、in vitroでのエレクトロポレーションによる遺伝子導入が、至適条件を調整することにより確実に実施可能であることを示した。
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