研究課題/領域番号 |
14571133
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (80252245)
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研究分担者 |
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70167542)
高橋 雅英 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40183446)
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キーワード | RET遺伝子 / ライボザイム / 遺伝子治療 / アデノウイルス / MEN I型 / MEN II型 / チロシンキナーゼ / 発ガン |
研究概要 |
ヒトRet遺伝子のmRNAを特異的に切断するライボザイムを作成した。ひとつはRetの細胞外ドメインを、もうひとつは細胞内ドメインをコードする領域を切断するよう設計した。 2種類のライボザイムを組み込んだアデノウイルスをRet遺伝子のコドン634の位置に変異を持つヒト甲状腺髄様癌細胞株、TT細胞におのおの感染させ、ライボザイムの細胞内での発現、機能について検討した。TT細胞内でライボザイムが発現したことを確認した。その結果としてRet遺伝子のmRNAおよび蛋白の発現が有意に抑制された。またこの感染によりTT細胞の増殖が有意に抑制された。これに対してヒトRet遺伝子のmRNAを特異的に切断するライボザイムを組み込んでいないアデノウイルスの感染ではTT細胞の増殖には有意な影響はみられなかった。 ret-PTCと呼ばれるRet遺伝子の細胞内ドメインと無関係の遺伝子融合蛋白が甲状腺乳頭癌において検出され、これが発ガンに大きな役割を果たしていることが示唆されている。このret-PTC変異を持つTPC-1細胞に対してこれら2種類のライボザイムを組み込んだアデノウイルスを感染させた。細胞内ドメインを切断するライボザイムを組み込んだアデノウイルスのみ、このTPC-1細胞の増殖を抑制したが、細胞外ドメインを切断するライボザイムを組み込んだアデノウイルスは細胞増殖に影響を与えなかった。 以上より、ret遺伝子の部位特異的切断能力を持つライボザイムを組み込んだアデノウイルスは、ret遺伝子変異を有する甲状腺癌細胞株TT細胞、TPC-1細胞においてRetmRNA、蛋白の発現を抑制し、さらに細胞増殖も抑制した。
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