研究課題/領域番号 |
14571142
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉谷 篤 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (00294934)
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研究分担者 |
井上 重隆 九州大学, 医学部附属病院, 医員
北田 秀久 九州大学, 医学部附属病院, 医員
山元 啓文 九州大学, 医学部附属病院, 医員
森崎 隆 九州大学, 医学部医学研究院, 助手 (90291517)
片野 光男 九州大学, 医学部医学研究院, 教授 (10145203)
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キーワード | 温疎血 / 腎移植 / 虚血再灌流障害 / 蛋白分解酵素阻害剤 / サイトカイン / アポトーシス |
研究概要 |
温疎血腎臓自己移植モデルにおけるガベキセート・メシレートの腎機能保護効果 (目的)腎自己移植モデルにおける虚血再潅流障害に対する蛋白分解酵素阻害剤ガベキセート・メシレート(FOY)の効果を検討。 (方法)雑種成犬を用いて左腎動静脈を1時間クランプし右腎摘出後に左腸骨に移植した。実験群は2群(FOY群、無処置(C)群各6頭)に分け、FOY群はFOY5mg/kg/hrを再潅流1時間前より3時間後まで持続静注した。腎機能(Cr、BUN)、腎組織血流(TBF)、腎血管抵抗(RI)、末梢血単核球IL-1βmRNAを経時的に測定した。72時間後、腎組織を採取し組織学的検討を行った。 (結果)Cr、BUNはFOY群において有意に上昇が抑制された(72時間Cr C群11.7±2.9mg/dl vs FOY群5.8±3.7mg/dl)。腎血流は72時間後においてTBF(C群16.0±4.0 vs FOY群21.6±4.2 p=0.05),RI(C群0.622±0.097 vs FOY群0.474±0.099 p=0.02)ともFOY群が有意に良好であった。IL-1βmRNAはC群で再潅流1時間後に発現が見られたのに対し、FOY群で発現が抑制される傾向が見られた(IL-1/GAPDH FOY群0.06±0.043 vs C群0.32±0.39 p=N.S.)。病理組織学的には急性尿細管壊死がFOY群では軽減された。 (結語)FOYは腎移植モデルにおいて有意に虚血再灌流傷害を抑制し、腎機能を改善した。 以上の結果を第36回日本移植学会プレナリーシンポジウムにて発表した。現在、英文論文として投稿準備中である。
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