研究課題/領域番号 |
14571143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
能城 浩和 九州大学, 大学病院, 助手 (90301340)
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研究分担者 |
松田 武久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60142189)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 低重力 / 3次元培養 / TGF-β / IFN-γ / 浸潤 / 膵癌 / 胃癌 / 人工臓器 |
研究概要 |
癌の浸潤、転移は癌難治性の主な要因のひとつであり、その制御は癌治療の目標でもある。今回の我々の研究目的は、「我々が開発した人工癌組織モデルを発展させ、これを利用して複雑系としてのヒト癌微小環境における病態を解析し、医学研究のための次世代癌研究In vitroモデルを確立すること」である。具体的には、(1)ヒト細胞からなる癌組織、則ち、癌細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、マクロファージを含み、コラーゲンを中心とした間質と増殖因子で構成される高次の人工組織を構築することであり、さらに、(2)この高次癌組織モデルを用いて、悪性固形腫瘍の生物学的特性発現のメカニズムを経時的・定量的に解析できる方法論を確立し、新たな治療標的因子を検証することである。今回の研究結果は以下に要約される。業績1:以前、ヒト膵癌細胞と線維芽細胞とともに、Type Iコラーゲン中で、低重力下に培養することにより、より長期に三次元組織として観察に耐えうるがん組織類似モデルが作成可能なことを証明するとともに、この膵癌モデルが、抗がん剤や免疫療法薬剤を用いた、がん組織治療モデルとしても有用であることを明らかにした。業績2;我々が樹立したヒト胃癌細胞GCTM-1とヒト線維芽細胞株TIG-20をヒト型Type IコラーゲンとヒトTGF-β1中で共培養することにより、ヒトスキルス胃癌に類似した組織をin vitroで再構築でき、本モデルを用いることによりヒトインターフェロンガンマ(IFN-γ)がTGF-βのSMAD経由の阻害を介して、スキルス癌細胞の浸潤抑制に有用であることを証明した。以上、本研究により、三次元人工がんモデルを作成し、これを用いたより高次のin vitroにおけるがん病態、治療解析モデルとしての有用性を示すことができた。
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