研究課題/領域番号 |
14571144
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内山 明彦 九州大学, 大学病院, 助手 (20294936)
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研究分担者 |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
馬場 英司 九州大学, 大学病院, 助手 (00315475)
森崎 隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90291517)
松田 武久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60142189)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
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キーワード | リンパ節 / Collagen / 低重力培養 / IL-2 / IL-4 / GM-CSF |
研究概要 |
強力な抗原提示能を有する樹状細胞を用いた抗腫瘍免疫ワクチン療法は、今後、難治性癌の治療や予防に期待されている癌特異免疫療法の一つであり、我々は、腫瘍ワクチンとしての樹状細胞の基礎研究を行い、九州大学倫理委員会の承諾後、本治療法を実際の臨床において開始している。今回、再生医学的手法の応用により人工サイトカイン産生装置などの腫瘍免疫療法に応用するためのデバイスについての研究にも着手している。このような臨床・研究過程の中で、腫瘍抗原刺激自己樹状細胞とT細胞との反応を、手術により採取されたリンパ節や脾臓という自己の免疫組織そのものを場としてex vivoで誘導し、抗腫瘍免疫能を賦与・強化した免疫組織として再生させ、生体に戻す治療法の開発に着手することになった。本研究の目的は「手術時得られた免疫組織(患者リンパ節、脾臓組織の一部)の中に、in vitroにおいて自己腫瘍抗原で刺激した樹状細胞を誘導し、抗腫瘍免疫療法のための再生自己免疫組織を作成すること」であった。本年度は、(1)in vitroにおいて樹状細胞あるいはその前駆細胞を含んだ免疫組織(リンパ節、脾臓組織の一部)を長期培養するための増殖因子の種類、濃度と培養条件についての研究を行った。また、(2)組織培養の終了時に内部で産生された樹状細胞と活性化T細胞の数、機能を腫瘍抗原特異性の点から評価し、将来的にこれを患者に治療用組織として再移植する場合を想定した予備実験を行った。これまでの我々の研究の結果は、低重力三次元培養とサイトカインの併用により免疫組織を抗腫瘍性組織として再生できる可能性を支持しているが、得られた免疫組織を更に生体に戻した場合の細胞寿命や機能に関しては、まだ検討すべき課題も多い。手術時採取されたリンパ節の一部を用いて、体外での三次元組織培養を行った研究においては、IL-2とGM-CSF, IL-4の併用が、最もリンパ節内においてex vivoでのリンパ球寿命の維持に有用であることが確認された。
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