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2003 年度 実績報告書

癌免疫療法へ臨床応用可能な、血漿交換を伴わない免疫抑制物質除去療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14571152
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

上田 祐二  京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (60254356)

研究分担者 白坂 哲彦  大鵬薬品工業(株), 病態医化学研究所, 所長(研究職)
寺本 和雄  東レ(株), 機能材料研究所, 主席研究員
山岸 久一  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40128723)
キーワード癌免疫療法 / 体外循環治療 / 免疫抑制因子 / 免疫抑制性サイトカイン / TGFβ / VEGF / IL-6
研究概要

近年の樹状細胞療法を中心とした癌の細胞免疫療法の進歩は著しく、また一方、癌の進展に伴う免疫抑制動態の詳細も明らかにされている。すなわち、癌患者の血中に増加してくるTGFβ,IL-6,VEGF等のサイトカインは、直に癌の進展に関与するのみならず、細胞性免疫能を抑制することにより癌の進展をさらに助長する。またこれらのサイトカインは、患者に悪液質をもたらし、化学療法の副作用増強にも関与し、その用量規定因子にもなっている。本研究はこれらの免疫抑制性サイトカインの制御を目的として、血漿交換を伴わない血液吸着療法としての癌体外循環治療技術の開発を目指すものである。
昨年度までの研究において、TGFβ吸着剤として特定のアミノ基を官能基として固定化した多孔質のポリスチレン系極細繊維を開発,同定し、それを充填した体外循環治療カラムが、単独療法あるいは化学療法との組み合わせにおいて、担癌ラットの腫瘍増殖を抑制し生存期問を有意に延長することを明らかにしてきた。本年度は、新たにヒト癌性胸腹水を用いた吸着実験を行い、同吸着剤がTGFβ以上にVEGF, IL-6を強く吸着除去することを明らかにした。この吸着剤で処理された癌性胸腹水は、未処理癌性胸腹水に比して明らかに癌患者末梢血リンパ球あるいは癌性胸腹水由来リンパ球からのLAK活性誘導に優れ、同吸着剤を充填されたカラムが細胞性免疫能の回復(増強)に有用なことを明らかにした。またビーグル犬を用いた大動物実験において本カラムを用いた体外循環治療の安全性を検証した。
近々開始予定の臨床試験においては、先ず進行癌患者を対象として、その単独治療による免疫賦活効果(血中免疫抑制性サイトカインの除去と細胞性免疫能の回復)を確認した後に、膵癌,スキルス胃癌などの難治性固形癌(これらの癌の進展にはTGFβ,VEGFが共に深く関与)を対象疾患とし、化学療法との併用による臨床試験を展開していければと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上田祐二, 他: "新しい癌の体外循環治療技術の開発"医学のあゆみ. 208・12. 1012-1013 (2004)

  • [文献書誌] Yuji Ueda, et al.: "Dendritic cell-based immunotherapy of cancer with the carcinoembryonic antigen-derived, HLA-A24-restricted CTL epitope."International Journal of Oncology. 24・4. 909-918 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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