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2003 年度 実績報告書

アミノペプチダーゼNとニュートラルエンドペプチダーゼの作用の解明と癌治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14571169
研究機関(財)田附興風会

研究代表者

徳原 孝洋  財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究員 (80343755)

研究分担者 服部 登  財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 主任研究員 (00283169)
三宅 正幸  財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
キーワード血管新生 / APN / CD13 / NEP / CD10
研究概要

我々は今まで血管新生を抑制するモノクローナル抗体MH8-11を作製し、抗体クローニングから、これがAminopeptidase N(APN)/CD13を認識していることを明らかにしてきた。マウス黒色腫の低肺転移株B16-F1にAPNを強発現させると高肺転移株に変化し、APNが転移能に関与していることを明らかにした。肺癌、大腸癌、膵癌の手術標本を用いて、APNと血管新生の関係を検討したところ、APNの発現は血管新生と関与しかつ予後不良因子になることが判明した。一方、neutral endopeptidase(NEP)/CD10が、APNとともにペプチドの分解で相互的に作用していることに注目し、NEPも血管新生および癌転移に関与しているのではないかと考えた。手術標本で検討すると、APNと異なりNEPが発現した方が予後良好となる傾向が見られた、また、我々が作製したMH7-5抗体もAPNを認識していたが、HM7-5抗体では160kDaと120kDaのバンドが存在するのに対し、MH8-11抗体は150kDaのみであった。これは糖鎖の修飾によることが判明したので、糖鎖の変化により転移能が変化するか現在検討している。また、上位遺伝子の同定を1つの目標にして研究を進めてきたが、NEP陽性APN陰性株にAPNを強発現させると、NEPが減弱することが判明しているのみで上位遺伝子は判明していない。次に、F1高肺転移株を用いたマウス実験で、抗APN抗体で肺転移を抑制可能かどうか検討した。MH8-11抗体投与群では肺への転移数は41.4±24.4であったのに対して対象群では98.3±41.8と、MH8-11抗体を投与すると肺転移を効果的に抑制することができた(p=0.0043)。このように、APN自体が転移、血管新生促進遺伝子としての性格を有しており、その制御は転移の抑制に非常に役に立つと考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ikeda, N. et al.: "Clinical Significance of Aminopeptidase N/CD13 Expression in Human Pancreatic Carcinoma."Clinical Cancer Research. 9. 1503-1508 (2003)

  • [文献書誌] Hashida H, et al.: "Clinical Significance of Transmenbrane 4 Superfamily in Colon Cancer."British Journal of Cancer. 89. 158 (2003)

  • [文献書誌] Ding, Y. et al.: "Association of CC cChemokine Receptor 7 with Lymph Node Metastasis of Esophageal Squamous Cell Carcinoma."Clinical Cancer Research. 9. 242-245 (2003)

  • [文献書誌] Kim, KK., et al.: "A plasminogen activator inhibitor-1 promoter polymorphism and idiopathic interstitial pneumonia."Molecular Medicine. 9. 52-56 (2003)

  • [文献書誌] 石田久雄 et al.: "癌の封じ込めによる肺切除適応の拡大 Enlargement of application for lung cancer surgery based on Metastasis prevention."外科治療. 90. 85-86 (2003)

  • [文献書誌] Hattori, N. et al.: "The plasminogen activation system reduces fibrosis in the lung by a hepatocyte growth factor-dependent mechanism."American Journal of Pathology. 164. 1091-1098 (2004)

  • [文献書誌] 三宅正幸 et al.: "これだけは知っておきたい-遺伝子医学の基礎知識"メディカル ドゥ. 7 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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