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2002 年度 実績報告書

ホルモン依存性癌におけるエストロゲンレセプターの発現および機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 14571170
研究機関埼玉県立がんセンター

研究代表者

林 慎一  埼玉県立がんセンター, 研究室, 主任研究員 (60144862)

研究分担者 山口 ゆり  埼玉県立がんセンター, 研究室・主任研究員 (80166628)
キーワード乳がん / エストロゲンレセプター / 核内受容体 / 転写因子 / マイクロアレイ / 転写制御
研究概要

乳癌、子宮内膜癌、前立腺癌などの発生・進展にはステロイドホルモンが促進的に作用するが、がん発生・進展時における具体的な作用については未だ十分には解明されていない。また、がん化の過程での受容体の発現制御機構に関しても、ほとんど明らかとなっていない。受容体の発現量は細胞のホルモン感受性を規定するとともにホルモン療法の有効性にも関係し、また、癌の進展・悪性化に伴うホルモン依存性の消失の現象とも関連して、臨床的にも非常に重要な問題である。
これまで乳癌の発生・進展に伴うエストロゲン受容体ERα遺伝子の発現制御機構の解明に努めた。その結果、ヒト乳癌におけるERα発現に重要な因子ERBF-1を新たに同定し、また、ERα遺伝子のメチル化による発現制御を明らかにした。そこでERBF-1の実態について解析を進めた結果、C/EBPβである可能性が示唆された。
一方、乳癌細胞特有のERαの機能制御を明らかにすることにより、既存のホルモン療法とは異なった新規治療発の可能性を検討している。その観点から、ERαとレドックス制御因子や、癌遺伝子MDM2との相互作用の存在を明らかにした。さらにERβ、特にその変異体であるERβcxがERαの機能に著しく抑制的に働くことを明らかにした。これらは癌細胞特有のERαの新たな機能調節機構として注目している。
さらにエストロゲン依存性癌におけるエストロゲンシグナル経路の全容を解析してエストロゲン及びその受容体研究の臨床応用戦略を探る目的でDNAマイクロアレイを用いたエストロゲン応答性遺伝子群の網羅的発現プロファイル解析を開始した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okumura, N.: "Distinct promoter usage of mdm2 gene in human breast cancer"Oncol.Reports. 9. 557-563 (2002)

  • [文献書誌] Matsuyama, S.: "Estrogen receptor β (ERβ) is expressed in human stomach adenocarcinomas"J.Cancer Res.Gun.Oncol.. 128. 319-324 (2002)

  • [文献書誌] Sakamoto, T.: "Estrogen receptor-mediated effects of Tamoxifen on human endometrial cancer cells"Mol.Cell.Endocrin.. 192. 93-104 (2002)

  • [文献書誌] Inoue, A.: "Development of eDNA microarray for expression profiling of estrogen-responsive genes"J.Mol.Endocrin.. 29. 175-192 (2002)

  • [文献書誌] Saji, S.: "Expression of estrogen receptor (ER) βcx protein in ERa-positive breast cancer ; specific correlation with progesterone receptor"Cancer Res.. 62. 4849-4853 (2002)

  • [文献書誌] Inoue, A.: "Evaluation of tissue-specific response to estrogen activity by means of a reporter gene assay based on the differential use of promoters A to F of the human estrogen receptor alpha gene"J.Pharmacological and Toxicological Methods. 47. 129-135 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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