研究課題/領域番号 |
14571189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
神谷 欣志 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20324361)
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研究分担者 |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00138033)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | ユビキシン / プロテアソーム / 癌抑制遺伝子産物 / 細胞周期 / RBタンパク質 / p27^<Kip1> |
研究概要 |
[研究目的] 本研究では、Skp2の高発現およびp27^<Kip1>の分解亢進と消化器腫瘍の癌形質の悪性度増強の因果関係を実験的に証明するとともに、消化器癌の予後に影響を及ぼす因子を明らかにすることをめざす。 [方法と結果] 予後不良の癌ではCDK阻害タンパクp27^<Kip1>の分解が亢進していることが報告されているが、さらに我々は肺癌でp27^<Kip1>のユビキチンリガーゼSkp2とCks1の発現が有意に高いことを見いだした。加えてCks1の細胞内存在量はユビキチン-プロテアソーム系によって制御されていることを見出した。今後、Cks1の分解低下が消化器癌におけるCks1の高発現の原因となっているか、予後との相関はどうかを検討する予定である。 一方でこれらの分子の高発現およびp27^<Kip1>の分解亢進がおこると、何故予後不良の癌形質が形成されるのかはなお不明であり、本研究ではさらにそれを明らかにすることを目標とした。我々が作成したSkp2高発現ヒト大腸癌細胞(HCT-Skp2)、p27^<Kip1>-ヘテロノックアウトヒト大腸癌(HCT-p27hKO)細胞はどちらもp27^<Kip1>タンパク質の存在量が有意に低下していた。それらの培養細胞としての増殖速度は親株と変化がないが、マトリゲル浸潤能はHCT-Skp2が有意に高かった。ヌードマウスでの移植実験ではHCT-Skp2、HCT-p27hKOの順に親株に比べて高い増腫瘍性を示し、さらに血管新生の亢進もみられた。以上の様に本研究からp27^<Kip1>の分解亢進が大腸癌の悪性化の一つの原因になることが実験的に示された。
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