• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

グレリンの消化管運動に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 14571193
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

手塚 則明  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40303771)

研究分担者 藤宮 峯子  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
キーワードグレリン / 消化管運動 / 脳腸相関 / 摂食亢進
研究概要

我々は無麻酔ラットの脳室内または静脈内に各種ペプチドを投与し、リアルタイムで消化管運動を測定する方法を開発し興味深い結果を得た。NPYやPYYなど摂食行動を刺激する事で知られるペプチドを脳室内投与すると、十二指腸の空腹運動が誘発され、逆にCRFやウロコルチンなど摂食行動を抑制する事で知られるペプチドを脳室内投与すると、胃十二指腸の空腹運動が抑制されることがわかった。
一方、グレリンは、近年ラット胃より同定された28個のアミノ酸配列を有するGHS-Rのリガンドで、末梢(胃)に含まれ視床下部の受容体に作用して摂食行動を刺激する事で知られている。我々の研究で、グレリンの中枢および末梢投与で、胃の食後期運動の亢進と十二指腸の空腹期運動の誘発が観察され、この作用は弓状核のNPYニューロンを介した反応であることがわかった。本研究で、視床下部のペプチドが消化管運動に影響与えるという、脳→腸のルートだけでなく、胃から放出されるペプチドが脳の受容体に作用して消化管運動を支配するという、腸→脳→腸のルートで消化管運動が制御されることが明らかになった。
脳が消化管の運動をコントロールし、消化管の運動が脳の機能をコントロールするという脳腸相関のダイナミズムを実験的に証明することで、NUDやIBSなど脳が原因で起こる消化管機能異常症や、拒食症や過食症の病態の解明に貢献できると考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Fujino, A.Inui, M.Fujimiya, 他3名: "Ghrelin induces fasted motor activity of the gastrointestinel tract in conscious red rats"J.Physiology, London. 550. 227-240 (2003)

  • [文献書誌] A.Asakawa, A.Inui, M.Fujimiya, 他4名: "Antagonism of ghrelin receptor reduces food intake and body weight gain in mice."Gut. 52. 947-952 (2003)

  • [文献書誌] T.Mazda, H.Yamamoto, M.Fujimura, M.Fujimiya: "Gastric distention-induced release of serotonin stimulates c-fos expression in specific brain nuclei via 5-HT3 receptors in conscious rats."Am.J.Physiology Gastrointest Liver Physiology. (in press). (2004)

  • [文献書誌] A.Inui, A.Asakawa, M.Fujimiya, 他5名: "Ghrelin, appetite, and gastric motility : the emerging role of the stomach as an endocrine organ."FASEB Journal. 18. 439-456 (2004)

  • [文献書誌] 浅川明弘, 藤宮峯子, 他3名: "新たな消化管ホルモン、グレリンの多彩な作用"消化器科. 36. 417-422 (2003)

  • [文献書誌] 浅川明弘, 藤宮峯子, 他3名: "グレリン作用と生理的役割"臨床消化器内科. 18. 1417-1423 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi