研究課題/領域番号 |
14571194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40314330)
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研究分担者 |
安田 卓司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324782)
矢野 雅彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70273646)
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00301268)
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 進行胃癌 / 腹膜播種 / 遺伝子診断 / 微小転移 / 腹腔鏡検査 / 化学療法 |
研究概要 |
1、腹腔内の微小癌細胞を検出するための、腹腔洗浄液遺伝子微小転移診断法を確立した。 (Int.J.Oncol,2003)この診断法により、根治術症例の術後の腹膜再発を感度85.7%、特異度84.1%で予測可能となった。 2、漿膜浸潤が疑われる進行胃癌に対し、術前に腹腔鏡検査を施行し、漿膜浸潤を確認の後、腹腔内化学療法施行した。この結果、腹腔内遺伝子診断が陽性症例が化学療法により陰性化した場合、その予後が改善することが確認された。(Ann.Surg.Oncol,2004) 3、これらの結果をもとに、従来の根治手術可能例に対する腹膜播種再発の予測と予防的化学療法の導入した治療方針でpilot studyを行なった。 術前検査として、腹腔内洗浄を行ない遺伝子微小転移診断により腹膜再発危険群を選定し、予防的化学療法を施行した。術前腹腔内洗浄は、60例に施行し腹膜再発危険群の同定が可能であった。又、術前化学療法(腹腔内)により手術時に遺伝子診断が陰性化した場合予後が改善した(p=0.03)。術前腹腔内洗浄の有用が証明された。 4、一方、術前腹腔内洗浄により細胞診陽性が証明された進行胃癌に対しては、以下の治療方針で行なった。細胞診陽性胃癌は、極めて予後不良である。腹腔内及び全身化学療法と腹腔鏡検査を組み合わせた集学的治療を検討した。術前検査により、細胞診陽性あるいは腹膜播種陽性が診断された13例が対象、集学的治療により13例中11例に胃切除術を施行した。内5例は、細胞診、腹膜播種が陰性化しており全例生存中である。一方、除性化しなかった症例は予後不良であった。 以上より、漿膜浸潤を要する進行胃癌の治療を行なっていく上で、腹腔洗浄液遺伝子診断及び、腹腔鏡検査による診断に基づいた集学的治療が有効であることが示された。
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