研究課題/領域番号 |
14571206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
増本 幸二 九州大学, 大学病院, 講師 (20343329)
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研究分担者 |
生野 猛 九州大学, 大学病院, 講師 (30235717)
田口 智章 九州大学, 大学病院, 助教授 (20197247)
水田 祥代 九州大学, 大学病院, 教授 (30038856)
家入 里志 九州大学, 大学病院, 助手 (00363359)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | ニューロキニンA / 細胞内カルシウム濃度 / カルシウム感受性 / Rhoキナーゼ / モルモット / カルシウムチャンネル / 平滑筋細胞 / Fura-2 |
研究概要 |
【背景】ニューロキニンA(NKA)は生理的な消化管収縮のみならず、下痢や炎症性腸疾患において分泌が高まり、下部消化管の病的収縮に関与するとされているが、収縮時の詳細なメカニズムは明らかにされていないため実験的検討を行った。【方法】NKAによるモルモット結腸紐平滑筋の収縮機序を細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)と張力の同時測定法を用いて検討した。controlとして5.9mMK^+及び60MK^+刺激を用いそのときの[Ca^<2+>]i及び張力をそれぞれ0%及び100%とした。【結果】NKA(100pM-10μM)はモルモット結腸紐において濃度依存性に収縮を引き起こし、最大反応は10μMで得られ,EC50は8・41±1.29nMであった。10μM NKAは[Ca^<2+>]i上昇を伴う張力を発生し、[Ca^<2+>]i上昇と張力の最大値はそれぞれ95.1%と151.0%であった。Ca^<2+>流入経路を調べるために、Ca^<2+>チャンネル阻害薬であるdiltiazem(10μM)を前処置したところ、[Ca^<2+>]i上昇と張力はそれぞれ54.3%と15.0%まで抑制された。NK2 receptor antagonistにより[Ca^<2+>]i上昇と張力はぞれぞれ67.1%、74.1%と有意に抑制された。また、Rho kinase阻害剤であるY-27632の前処置下では、[C^<2+>]iと張力はそれぞれ67.1%、74.4%であった。さらに、NKA投与において筋小胞体からのCa^<2+>遊離による[Ca^<2+>]iの上昇を認めた。【結論】NKAは消化管平滑筋において[Ca^<2+>]i上昇を伴う濃度依存性の収縮を引き起こし、その収縮には電位依存性Ca^<2+>チャンネルを含む細胞外からCa^<2+>の流入が関与し、収縮装置のCa^<2+>感受性を上昇させ、収縮力の増強をもたらした。NKAの過剰分泌は下部消化管の過収縮を引き起こすと考えられた。
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