研究課題/領域番号 |
14571216
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田中 邦哉 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助手 (10295503)
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研究分担者 |
林崎 良英 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 研究職プロジェクトディレクター (70192705)
岡崎 康司 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 研究職チームリーダー (80280733)
渡会 伸治 横浜市立大学, 医学部第2外科, 助教授 (10244477)
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キーワード | 肝切除 / 肝不全 / cDNAマイクロアレイ / マウス |
研究概要 |
【目的】マウスの70%肝切除モデル(70%PHx model)と90%肝切除モデル(90%PHx model)の作成し、cDNA microarrayを用いて残存肝の経時的遺伝子発現プロファイルを解析し、過大肝切除後の肝不全発生機序を明らかにする。 【対象と方法】対象としてC57BL/6J、8週齢雄性マウスを用いた。1:肝左葉と正中葉を切除した70%PHx modelと、さらに右葉を切除した90%PHx modelを作成し生存期間、生化学検査所見を検討した。2:70%、90%PHx modelと対照として開腹肝脱転のみを行ったsham model(control)を作成し、残存肝を術後0.5、1、3、5、10時間後に採取した。肝組織よりtRNAを抽出し、cDNAに逆転写、Cy dyeでlabelingした後、RIKEN mouse cDNA microarrayにhybridizeし、各々のmRNA発現を比較検討した。 【結果】1:70%PHx modelの1週間生存率は100%であった。90%PHx modelの平均生存期間は約20時間であり、1週間生存率0%であった。70%PHx modelのT-bilは、術後1、3、5、10時間後でそれぞれ平均0.4、1.3、0.6、0.3mg/dlで術後3時間後に最高値を示し、その後、低下した。90%PHx modelはそれぞれ平均0.7、1.1、1.7、2.0mg/dlで経時的に上昇し、70%PHx modelと比較し、術後5、10時間後で有意に高値であった。2:90%PHx modelは70%PHx modelと比較し、術後早期に、Extracellular matrix remodelingを促進させる因子の低下を認めた。また、肝再生促進関連因子の低発現、さらに、細胞周期促進関連因子の低発現を認めた。
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