研究概要 |
本研究課題では2年間の研究期間内に生体内分子間相互作用解析装置を用いて,りん脂質膜構造を金箔膜の張られたセンサーチップ上に形成し,パーフォリンによる細胞膜傷害活性の定量的評価システムを開発するまた,臨床応用を目的とした検査あるいは,パーフォリンの細孔形成能を抑制する,薬剤のスクリーニングを行い,平成14年度分として以下の成果を得た. (1)パーフォリンによる細胞膜傷害活性の定量的評価システムを開発し,論文を投稿中である. (2)現在までに,特定のパーフォリンの阻害作用をもつ薬剤の特定には至っていないが,serine protease inhibitor (serpin)を有効な標的分子として解析を行った.未だ,機能的には不明な分子であるが,mammary serine protease inhibitor (mammary serpin, maspin)がその候補として考えられ,現在dominat negativeを作製し検討中である. (3)granzyme Bの定量システムについては現在も引き続き検討中である. パーフォリンの細胞障害機構には依然不明の点もあるが,癌抑制遺伝子maspinがその阻害作用を持つ可能性が示唆された,現在詳細を検討中であるが,RNAsiを用いた,急性期間の炎症性疾患の治療戦略の可能性が示唆された. 平成16年度は臨床検体を用いた,生体内分子間相互作用解析装置を用いたパーフォリンによる細胞膜傷害活性の定量的評価システムの有効性を検討したい.
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