研究課題/領域番号 |
14571226
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
|
研究分担者 |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
渡邊 昌彦 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80146604)
|
キーワード | MSI大腸癌 / 変異ペプチド / 免疫療法 / 癌抗原 / SEREX |
研究概要 |
MSI陽性大腸癌からフレームシフト変異タンパクを患者血清を用いて同定する方法には、自家の腫瘍と血清を用いるSEREX法と、変異ペプチド組換えタンパク対する反応性を調べる方法がある。 2例の患者のMSI陽性大腸癌組織よりλファージの発現ライブラリーを作製し、自家の血清を用いてSEREX法によりMSI関連抗原の同定を行った。1例目の患者から約250万クローンより21個の陽性クローンを単離した。これらは5種の遺伝子からなっていたが、MSIの標的遺伝子として報告されている遺伝子は存在しなかった。その発現はいずれも正常組織にも認められることから癌特異的ではなかった。2例目の患者から約460万クローンからのスクリーニングにより、200個の陽性クローンが単離され、21種の遺伝子からなっていたが、MSIの標的遺伝子として報告されている遺伝子はなかった。またデーターベース検索により癌特異的発現と考えられた5種の遺伝子についてRT-PCR法により発現を調べたところ、いずれも正常組織にも認められることから癌特異的ではなかった。ミスマッチ修復異常によるフレームシフト変異ペプチドが作製される標的遺伝子を予想し、15種の組換えタンパクの作製し精製した。患者血清中のIgG抗体が変異ペプチド組換えタンパクを認識するかについて、13名のMSI陽性大腸癌患者血清についてウエスタンブロット法にて検討したが、いずれのタンパクでも陽性反応を認めなかった。さらにELISA法にて定量的な解析を試みたが、この方法でも作製した15種のタンパクに対する抗体は検出できなかった。 2つの方法を用いて、MSI陽性大腸癌におけるフレームシフト変異タンパクに対する抗体の検出を試みたがMSI陽性大腸癌患者血清中には変異タンパクに対する抗体は認められなかった。
|