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2002 年度 実績報告書

肺癌における腫瘍関連抗原90Kの発現解析および同抗原を標的とした癌免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14571262
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

藤野 昇三  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10209075)

研究分担者 手塚 則明  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40303771)
澤井 聡  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60335172)
紺谷 桂一  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90314153)
キーワード腫瘍抗原 / 90K抗原 / 免疫原性 / 肺癌 / 癌免疫療法
研究概要

【背景】腫瘍関連抗原である90K/Mac-2 Binding Protein(以下90K)は分子量約90kDaの分泌糖蛋白で、健常人の血清中でもみられるが、悪性腫瘍患者や感染症患者において著明に増加している。90Kは宿主免疫において重要な役割を果たしていると考えられているが、その詳細な機能はいでまだ不明である。木研究において我々は肺癌細胞株や原発性肺癌組織における90Kの発現を解析し、腫瘍抗原としての免疫原性について検討した。【方法】各種癌細胞株および原発性肺癌28例を対象とした。Northern hybridizationにて90KのmRNAレベルを、免疫組織染色にてタンパク発現レベルを解析した。さらに肺癌患者23例について、血清中の抗90K抗体価をELISA法で解析した。【結果】肺癌細胞株においては7/8株(87.5%)で、肺癌組織においては17/28例(60.7%)と高率に90KmRNAの過剰発現を認めた。免疫組織染色の結果、切除標本11/28例(39.3%)でタンパク発現を認めた。腫瘍細胞の細胞質がび慢性に強く染色された。90K発現と予後との間には有意差は認められなかったが、病期進行例(3、4期)でタンパク発現のみられる症例が多い頃向があった。また肺癌患者7/23例(30.4%)で血清中の抗90K抗体価の上昇を認め、さらに抗体価の上昇を認めた例については、いずれもIgMだけでなくIgG抗体の存在も認められた。【考察】肺癌における90K発現を解析し、また同抗原を癌免疫治療の標的抗原として着目したのは本研究が最初である。肺癌患者では90Kに対する抗原特異的な細胞性免疫応答が惹起されている可能性が示唆され、このタンパクを標的抗原とした癌免疫療法の可能性について今後更に検討を重ねる予定である。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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