平成14年度は、気管支及び肺胞上皮細胞への安全かつ効率的な遺伝子導入法の開発を初年度の研究目標とし、まずはマーカー遺伝子のlacZをコードしたアデノウイルスをエアロゾル法にて気道内へ遺伝子導入した場合、理論的には肺胞上皮細胞にトラップされ肺血管内皮細胞に遺伝子が導入されるか否かを検討した。種々のエアロゾル法を用い遺伝子導入を試みるも、その遺伝子導入効率は低値を示した。 レトロウイルスによる高い導入効率が報告されたので、レトロウイルスを用いて見るも、その導入効率はアデノウイルスよりも低い結果となった。このために、当初の予定どうりアデノウイルスを用い検討を繰り返したが、その導入効率は低いままであった。 導入効率が低値であっても分泌型の分子を遺伝子導入すれば、肺高血圧に対する治療効果が得られると考え、モノクロタリンによる肺高血圧モデルを用い検討する予定である。
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